余所者-よそもの-
迷路のような店内を進み、席に着いた。
手際よくテーブルの準備をする潤を尻目に、私はソワソワと落ち着きがない。
目の前は黒く石模様をした大判のテーブル。
頭上にはゴールドの重たそうなシャンデリア。
壁には不思議なアートの絵。
「何飲むー?」
「な、なんでも……」
場に飲まれたまま、潤にお任せをする形でドリンクを頼んだ。
――私は数分後、それを後悔することになる。
「失礼します!」
「失礼しまーす」
「失礼しますね」
代わる代わる男が現れ、ドン、ドン、と広くない机に次々とモノを置き、テーブルの周りに整列。
「……なにこれ」
あっという間にてんこ盛りになった私のテーブルと、これ以上入りきらないってくらい揃い踏みした男たち。
赤や青や黄色。
ホストはチューリップみたいに色とりどりの髪色で笑顔を咲かせている。
「ハーイ、オッケ!コレで全部?」
私の隣では潤がウキウキと嬉しそうに手をすり合わせていた。
目にはドルマークが浮かんでいるように見える。
「ご苦労さん!コールは任せた!」
「あーりがとうございまぁーっす!」
そこからはもうお祭り騒ぎ。
みんなシャンパングラス片手に歌いだしたかと思えば、勢いよく乾杯。
グラスの中身を一気に飲み干しては、集ったホストが1人ずつ消えていく。