余所者-よそもの-
「……そう。ユキはああ言ったけど。実際のところ紫藤との接触が増えてる。あんまり、いい気分じゃない」
前にユキは、私がどうであれ自分に影響はないと断言していた。
――『関係ないんだよ。監視されてようが、女が居ようが、俺はこれまで通りここで商売するだけ。ここで商売することは紫藤にとってプラスでもマイナスでもない。ないんだよ、そもそも俺と紫藤の間に成立する問題なんて』
潤は言葉を選んでいるようだけれど、実際のところは顔も合わせたくないっていうのが皆の本音なんだと思う。
「それに。なんつーか、言いにくいけど……」
「あの人が何を考えているのかは私にはわからないですけど、潤さんが考えてるようなことにはなりません」
「どうして?」
「どうしてって、そんなのわかるじゃないですか」
「いいや?わかんない」
潤は酷い。
本気で洗いざらい私から搔っ攫っていくつもりだ。
別に、わざわざ聞いてこなくたっていいのに。
「私ですよ?どう転んでもそういう、男女的な何かには発展しようがないです」
潤が釘を刺しておきたいことは、これ以上関係を深めるなよ。
そういうこと。
何をどう間違えてもそんなことにはならない。
仮に私がシドを好きになったとしても、あのシドが私なんかを相手にするはずない。
何を心配してるんだろうって、笑ってしまう。