余所者-よそもの-


「うーん。俺、カナコちゃんのそういうところ、まじで良くないと思う」

「そういうところってどういうところですか」

「自信がないっつーか、なんつーか。自分を下げてくる感じ?」


下げてるつもりなんてない。
自分を客観視してるだけだ。

不満げな私に、潤は機嫌を取るように微笑む。


「カナコちゃんは可愛いよ?」

「さすがホストですね、潤さん」


どこまでも可愛くなれない私は、お世辞だって突っぱねてやる。
潤は「ははは!」と、声に出して笑った。


「でもまぁ、アッチから来られたらどうしようもないよな。誰もシトウの紫藤には逆らえねぇし」


だから、そんなわけないって。

そう思うと、私は「誰も逆らえない」という響きに、ずっと抱えていた違和感を呼び起こされた。

そもそも、ずっと不思議だった。


「シトウの紫藤って、何がそんなに特別なんですか?」

「どういう意味だ?」

「あ、いや……私にはZ地区や露天街の方が恐ろしくて。シトウもたしかにいろんな人がいますけど、厄介なのは他の二つで、そっちを束ねている人の方が恐ろしいと思うんですけど」

シドに非道な一面があることは知ってる。
けれど、私にはZ地区や露天街の方がより暴力的で、わかりやすく恐ろしいと感じていた。

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