余所者-よそもの-



「かぁこ」

「……うぁい」


動くと気持ち悪い。
しかも私を運ぶユキの腕がお腹を圧迫するから、ただでさえせり上がろうとしてる中のものが余計にせり上がってくる。


「乗って」

やがてユキの車の前に来た。

ユキは助手席のドアを開けて、乗車を促すけれど、


「いやです……」

拒否。


「はぁ?」

「車に乗ったら吐きそうです」

「じゃあどっかで吐いて来いよ」

「いやです。歩きたいです」


ユキの高級車に粗相でもしたら大変だ。
それに、夜風に当たって酔いを覚ましたい。

駄々をこねる私に、ユキはムカついたんだと思う。


「俺に一緒に歩けと?」

あ、やばい。
すごく面倒なことを言ってしまってる。


そんなつもりはないんです。


「面倒かけてすみません」

「………」

「ユキさんはそのまま車でお帰りください」

「………」

「私は一人で帰ります。今日はごめんなさい」


ペコ、とお辞儀をして、帰りの方向へと向かう。

後ろでは車のドアが閉じる音がした。

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