余所者-よそもの-
「どうしてここに!?」
「それは後」
私たちと商人の間の距離は、もうほとんどない。
その数秒、ユキはじっと前を見据えていた。
「おい、野郎!そこを退け!」
「できないって言ったら?」
「テメェ諸共ぶち殺す……」
「………」
「………」
ユキと商人はしばらくの間、無言でにらみ合った。
やがて、先に視線を逸らしたのは商人の方だった。
「え……」
まさか、あんなに怒り心頭だった商人が、こんなにあっさりと引くなんて。
「すごい!ユキさんどんな魔法つかったんですか?」
「ああ、マズいことになったな」
「……え?」
背中を向けて歩く商人は、すでにスマホを耳に当てている。
「あれは、露天商の中でも武装派の人間」
武装派って……
――『たまに武装しているホームレスも居るには居ますが、基本無関係な人間に手を出すような連中ではありません』
「ルールを破った奴を、武力行使でもって排除する集団」
「………」
なに、それ。
「――おう。起きてるヤツ全員集めろ。女一人と男一人……狩る」
露天商のその声は、アーケードの中で不気味に響き渡った。