余所者-よそもの-
――――…
――…
近くの排水溝で出すものを出した。
口の中が気持ち悪い。
そんな私の傍に立っていたユキから、ペットボトルの水が差し出される。
「……ありがとうございます」
口をすすぎながら、ふと気が付く。
ユキさんに預けていた私の鞄から出てきた、この水。
もちろん、私は水なんて買ってない。
「……ユキさん。もしかして潤さんのお店からずっと、私の後ついてきてくれてました?」
今になって気がつく。
私、スマホも財布も全部入ったカバンをユキに預けたまま、一人で帰ろうとしていたんだ。
そりゃこの時間、この街中だし、危なっかしいったらない。
でも、ユキはそんな風に思うかな。
面倒なことが嫌いなこの人が、まさかね。
きっとこれはたまたま、何か――…
「………」
ユキを見れば、無言。
だけどいつもの沈黙の肯定とは様子が少し違う。
まるで図星を突かれたみたいに、バツが悪そうに視線を反らす横顔。
それが何よりの答え合わせに見えて、胸の奥がぎゅっと熱くなった。
――ああ、どうしよう。
私、いま、喜んじゃってる。