余所者-よそもの-

店に入れば、着替えやメイクの身支度。

程なくサンコンが出勤。
昨日は迷惑をかけたと一言謝罪をすると、とってもにこやかに「いいえ、大したことではありません」と言われた。

心なしかご機嫌のように見えたのは、昨日の大暴れのおかげかもしれない。


「では、買い出しに行ってきます」

「おや?……その荷物は?」

そう尋ねてきたサンコンを誤魔化し、買い出しに出て。

途中寄り道をして、AnBarに戻る。


――そしてその日の営業も無事に終わり。
BGMを落として、表の看板を片付けようと外に出ると。


「………」

軒先に立っていた、一つ結びの女の子。
昨日別れたばかりの彼女がこちらをじっと見ていた。


私は駆け出して傍まで行くと、女の子は服の袖をぎゅっと掴んで俯いている。


「……あの、」

「昨日はごめん」

「え?」

「助けてくれたのに、その」


口をもごもごする彼女はきっと「ありがとう」が言いたいんだ。


「私も会いたかったんだよね。ちょっと待ってて」


そう伝えて、自室まで往復した。


「……お前、それ」

「どうぞ」


そっと手渡したのは、きっと少女の大事な一眼レフカメラ。

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