余所者-よそもの-


「取り返してくれたのか?」

「……うん」

目を丸めて尋ねてきた女の子に、私は嘘をついた。


今日、私は二階にあったユキの要らないもの全てを、あの八賀のところに持って行った。

片付けの時にでてきたブランドもののアクセサリーやバッグ。
捨てるには気が引けて、とっておいたものだ。

八賀は最初こそ『瑞生がまた何か企んでるんじゃないか』って疑ったけれど、希望どおり百万円で質入れさせてくれた。
本当はもっと値をつけられると教えてくれたけれど、それは断った。

その足でカメラを持った商人のところに行き、「昨日は叩いてしまってすみませんでした」と謝罪をして、八賀に換金してもらった百万円でカメラを買い取ったという訳だ。


「……とう」

「え?」

「ありが……とう」


女の子は今にも泣きだしそうな顔をしてそう言うから、やってよかったって心から思う。

百万円もあれば、今のものよりも高性能なカメラを何台も買える。
だけど、あの露天街から取り返そうとしたということは、どうしてもこれじゃないといけない理由があるはず。

女の子はひとしきりカメラの状態を確認したあと、用は済んだとばかりに私に背を向ける。


「じゃあ、」

「待って、一つだけ教えてほしい」

「……だったら私も一つ教えてほしい」


まさかの打ち返しに「なに?」と尋ねれば、さっきまでの感動はどこか遠いところに消えていた。

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