余所者-よそもの-
「君、知り合い?」
立ちすくむ私に、警察官から声がかかった。
「そうです」
「そうか。どうやら長い時間ここに閉じこもっていたらしくて」
彼は、口をあんぐりと開けていびきをかいている。
警官は話しながら彼を起こそうと揺すっているけど、全然起きる様子がない。
「……タカ?」
「救急車を呼ぼうか」
動揺することしかできない私に、警官が電話を取り出した時だった。
「あーうっす。大丈夫っすよ」
さっきの刺青男が、ひょいと割って入ってきた。
「お前は、紫藤のとこの」
「お疲れ様っす。コイツ持病なんすよ。あとはこっちで面倒みるんで」
何を知った風な口で言ってるんだ。
そう思っている私をよそに、警官たちは「そうか」とすぐさま納得をして、それなら用は済んだとばかりに彼から離れた。
立ち去った警官の代わりに、数人の男がぞろぞろと近づいてくる。
男たちの顔ぶれを見れば、それは以前から彼と私の接触を阻んでいたシドの仲間たちだ。
刺青男が「運べ」と一言指示を出せば、男たちは慣れた手つきで彼の身体を持ち上げ、運んでいく。
「どこに連れていくの?」
「帰すだけっす。ここに居座ってちゃマズイでしょ?」
それはそうだけど……。
そもそも、どうして彼はこんなところで眠っていたんだろう。
答えの出ない疑問を抱えながら、男たちに運び出される彼を見送る形でコンビニを出た。
「じゃあ、これで」
「待って。彼は大丈夫なの?」
「大丈夫っすよ。見た通り寝てるだけなんで」
「酷いこと、しないよね」
「大丈夫っすよ。もうこちらが何かしなくても――――」