余所者-よそもの-

32話:異変




アラームが鳴った。
この部屋に唯一ある小窓から、柔らかな西日が差し込んでいた。

ベッドから起き上がり、顔を洗って、支度をする。
今日はユキの家の掃除。

初めての”家政婦の日”だ。


寝間着を脱いで、ジーンズを履こうと足を上げると、どうしてだか視線を感じる。


「おい、お前買い出し――…」

見れば、上がってきた階段の手すりを掴んだまま、フリーズするバン。


「え?」
なんでここにいるの?

っていうか。


「きゃああああ……っ!!!」

思いっきり着替えの途中。
ていうか足にジーンズを引っかけただけの下着姿。


「な、な、な……っ!」

顔を真っ赤にしたまま動かないバンに苛立って、

「出てってよーー!」

と、ベッドの上の枕を投げつければ、見事バンの顔面にクリーンヒットした。

そして、
"ドンガラガラガラ……ドンッ"

後ろ向きのまま、派手に階段を転げ落ちていったバン。

……さすがに、ちょっとやってしまったかもしれない。


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