余所者-よそもの-
「今日、カナコちゃんはどっち?」
「家政婦の日です」
潤には、バンが再雇用されたことも、私がユキの家政婦をすることもすでに共有済みだった。
「そっか、頑張ってな」と言った潤に、バンが野次を飛ばしてくる。
「サボりだよな、サボりー」
「サボりじゃないし」
「どうせユキさんの家でグータラするんだろ」
「グータラできるような家だったらいいけど。人が住んでると思えないくらい汚いの知らないでしょ」
「ずっと住んでるけど」
あ、しまった。家主ここに居たんだ。
「バカナコのせいでこっちは支度遅れてんだよ」
「違いますよ、バン君が遅刻したから支度が遅れてるんです。早く買い出しに行ってください」
サンコンさんが叱るように間に入ると、バンが勢いよくこちらを振り返った。
「おい!バカナコ!お前代わりに行ってこい!」
「なんでよ!」
「いいだろ、暇なんだから!」
「暇じゃないってば!」
子供のように言い合いをしていると、パチ、とノートパソコンを閉じたユキが立ち上がった。
「かぁこ買い出し。バン、サンコンは開店準備。潤ちゃんは俺と出るよ」
一同に向けて指示が出れば、速やかに各々が割り振られた行動に移る。
……なぜか私だけが損をしてる気がするんだけど。