余所者-よそもの-
必殺仕分け人になって、忙しく手を動かしていると。
ふいにジーンズのポケットに入れたスマホが振動した。
電話……?
こんな時間に、誰から?
画面を見ると、しばらく静止。
だってそこには『紫藤 怜』の文字が光っている。
どうして今更。
スマホを買ってもらってから一度も連絡なんてなかったのに。
「は、はい!」
『……ああ』
電話に出れば、緊張のあまり変に声が裏返ってしまった。
反対に、スピーカーから聞こえるシドの声は直接会う時より少し柔らかかった。
『………』
「シド?」
何も言わないシドに声をかけた。
もしかして電波が悪い? と耳からスマホを離して確認したけれど、アンテナはしっかり立っている。
「あの……?」
『なんだ』
「なんだって、シドから電話かけてきたのに」
『それもそうだな』
「何かあった?」
『いいや。ただ』
「はい」
『元気か?』
「元気……だけど」
『そうか。ならいい』
「え?」
ツーツーツー……。
一方的に通話が切れた。
思いがけない人物からの初めての電話は、拍子抜けするほど、ほぼいたずら電話のような内容だった。
なんだったんだろう、変なの。