余所者-よそもの-
決して、彼との全てが悲しかったわけじゃない。
憎かったわけでもない。
彼を愛した時間も、確かに愛された時間もあった。
いや、きっと愛し合った時間の方が、遥かに永いはずなのに。
――そんなものは、この瞳に預けて、全部焼ききってしまえばいい。
それはまるで悪魔と契約を交わす儀式のようだった。
シドの鋭い視線が、私を容赦なく貫く。
怖くて、全部が強引で。
逃げ出したくなるのに、彼は何度も私を自分の腕の中へと手繰り寄せる。
空っぽになった私にとってそれは、命を奪われるかと思うほどの、あまりに強烈な意志だった。