余所者-よそもの-
「おっつかれちゃーん!」
静かになったBGMの代わりになって響いた大きな声。
潤だ。
そうわかれば、そろそろと忍ぶように階段を降りた。
多分お店は閉店の時間。
もうずっとトイレを我慢してた。
屋根裏には当然トイレはなく。
お客さんがいるかも、と思うとフロアに降りることもできず。
階段を下り更衣室のドアからフロアを覗くと、バーカウンターには潤と、ユキも居た。
「おーカナコちゃん!」
こちらに気が付き手を上げた潤は、途端に「ん?」と怪しんだ。
「カナコちゃん?」
ともう一度名前を呼ばれたので、「お疲れ様です」と更衣室を出て彼に近づけば。
「あははは」
助走をつけたみたいに軽く笑ってから、ぎゃははははは、と笑いを大きくする。
え、なに?
何かおかしい?
と首をかしげていると、指を差してくる。
「すっぴんヤバすぎだろ!!」
失礼なんですけど。
私はもともと顔が薄い。
しかも丸顔。
化粧映えには自信がある。
だから逆にすっぴんはそこから色という色が消えるので結構ヤバめ。
わかってるけども……!
「え、カナコちゃんって何歳?」
「21ですけど」
「顔面中学生じゃん!童顔ってレベルじゃねーよ!」
よし。
トイレに行こう。