余所者-よそもの-
トイレから戻ると、潤が「悪かったよ~」なんて機嫌をとるように手招いてくる。
潤とユキが並んで座るカウンターには、それぞれにアルコールとチャーハンが並んでる。
誘われるがままに潤の隣に座ると「食べる?」って聞かれたので頷く。
てっきり私の分を用意させるのだと思ったら、潤は自分の食べかけのチャーハンをスプーンにとって「はい、あーん」と食べさせてくる。
口からこぼれた米粒を手で抑えながらもぐもぐと食べる私に、「よしよし、いっぱい食べて早く大きくなろうな」なんて肩を抱いてきた。
まだいじってくるんだ。
睨み上げるとぷーん、とお酒のニオイが漂ってきた。
ホストだもんね。
酔っぱらってるのも距離が近いのも、職業柄だ。
「カナコちゃんは今日1日何してたんだ?」
「ユキさんに病院に連れて行ってもらってから、2階の片付けをしてました」
と話して「あ、そうだ」と思い出す。
聞きたいことがあったんだ。
「ユキさん、2階のものってどうしますか?」
カウンターで横並び。
潤の後ろに居るユキに尋ねると「好きにすればいい」とだけ返ってきた。
いやいや、と首を横に振る。
こっちを見てないユキにはきっと見せたほうが早いと思って、走って2階へ。
扱いに困るものを取りに行った。
「こういうのが、たくさん転がってて」
箱に入った高級腕時計。
ゴミの山のようなピラミッドを発掘していくと、こんなお宝がいくつも出てきた。
これ以外にもブランドもののアクセサリーやバッグがわんさか。