余所者-よそもの-
「だから。好きにしなって」
「え、でも」
「あそこにあるのは全部要らないもの。ゴミになるなら捨てておいてくれ」
そうじゃなくて、と開きかけた口を、潤の右手が止めた。
「どうせいつか2階まるごと処分されてたんだ。売って金に変えちまおうぜ」
ゴミとして捨てるのはもったいない。
だけど持ち主が要らないというのなら、いいのかな?
潤はニヒヒ、と笑ってから「あ、そうだ」と思い出したみたいに話を変えた。
「バンのヤツ、病院出たって」
「知ってる。今日病院で聞いた」
やっぱり。
今日看護師さんが言ってた退院した人って、バンって人のことだったんだ。
「どうする?連れてきて吐かせるか?」
「いや、いい。放っておく」
「なんでだよ」
答えないユキに潤も問い詰める気はなさそう。
「…あの、バンさんって」
それならば、と恐る恐る会話に入ってみた。