余所者-よそもの-
「私、ここで働かせてもらえるんですか」
無言のユキを、潤はじっと見ている。
「しかしまぁ、余所者とはいえ紫藤から寄こされたモンを、よくこんな懐まで入れる気になったな?」
「タイミングと都合の問題だ」
少し納得がいかないように「ふぅん」とだけ返した潤に、取り合わない態度のユキは「サンコン」と切り出した。
「明日、仕入れのついでに街に連れて行け。” 八賀のジジイ ”に顔も出しておいて」
「わかりました」
八賀のジジイとは、誰だろう……。
そんな疑問は「はぁぁぁ」と潤の盛大な溜息にかき消される。
「本気でこの街で面倒見る気なんだな」と一人項垂れてから、すっと姿勢を正した。
「サンコンに街案内できんのか?俺が行こうか」
「街案内くらいできます」
そう言い切るサンコンに、潤は「ホントかよ」と怪しむ。
もうすっかり酔いも覚めたようで、真剣な顔つきをゆっくりと私の方を向けた。
「” 悪いことしたけりゃ糸冬(シトウ)に行きな ”」
「なんですか、それ」
「ここのことだ。ここはシトウ町。糸と冬でシトウ。終わりの街って呼ばれてる」
――…終わりの街?