余所者-よそもの-
私は少し怖くなって、視線を逃がした。
潤の後ろで、ユキが頬杖を突きながらロックグラスの中で氷を転がしている。
その退屈そうな横顔を見てから、潤に視線をそっと戻した。
「無秩序、無法地帯。なんでもありのイカれた街だぜ?そんな中でも唯一、暗黙のルールみたいなモンがある」
潤はもう逃がさないと、まっすぐに私を射貫いたまま。
言い聞かせるようにして言う。
「シトウの紫藤には逆らうな」
これはきっと、この街で生きる上での約束のようなもの。
余所者で、紫藤怜に拾われた私は、きっともうこれ以上――…
「出会いのキッカケは偶然でたまたま。だとしても、この先紫藤に関わるのはやめとけ」