余所者-よそもの-
「誰に言われてここに来たん」
「えと、AnBarの……」
「なんやぁ…瑞生のガキのとこか」
八賀はちぃ、と舌打ちをする。
「この街に住まうんか?」
「はい」
「期間は」
「決まってません」
「早いほうがええな」
ん?と小首をかしげた私を構うことなく、首から下げた老眼鏡をかけて、時計の入った箱を開く。
「いくらで買い取ってほしい」
「いくらでも……」
「普通やったら三十」
「30万?」
「今やと十」
どういうことだろう。
通常なら30万で売れるものが、今すぐ売るなら10万にしかならない。
普通、逆じゃないだろうか。
……変なの。