余所者-よそもの-
「だんだん賑やかになってきましたね」
「この先に駅やショッピングモールがありますから。この辺りは若者が多いですね」
明るい街並みに、たくさんの人。
露天街で感じた孤独感はここにはない。
制服を着崩した学生も、化粧の派手な女の人も、スーツを着こなす男の人だって。
騒がしいのにどこか安心する風景は、地元の歓楽街を思い出した。
「先ほどお伝えした通り、この街には3つの勢力があります」
行き交う人々を避けながら。
なるべく声を聞き逃さないよう、足を早めてサンコンの隣をキープした。
「一つは先ほどのホームレスを中心とした露天街」
「はい」
「また一つは今も歩くここ。若者を中心に栄えるシトウ。…と、ここまでの区域はある程度の認識で構いませんが、3つ目だけは違います」
サンコンはそう言うと、私の方を振り返った。
「いいですか、」と私の返事を待ってから続ける。
「 “ Z地区 “だけは決して、足を踏み入れてはいけません」
「Z地区?それは――」
どこにあるんですか?
それを尋ねることができなかった。