恋愛経験ゼロの年下くんが、私の一番になりました
「そっか、それなら良かったな」

 亜佑美を職場まで迎えに行って帰宅するとマンションには何故か陽向が訪ねて来ており、帰すわけにもいかない朝陽は中へ招き入れた。

 そしてひと息吐いてから朝陽は二人にも直人との会話を共有した。

「うん、本当に」

 陽向と朝陽が喜び合う中、一人浮かない顔をする亜佑美。

「亜佑美さん、どうかしましたか?」
「え!? あ、ううん、何でも……。ただ」
「ただ?」
「あんなに悪質なことをしたのに、そんなに簡単に認めるのかなって……」
「……うーん、そうですよね。それは俺も少し引っかかったんですけど……でも、問い詰められて隠しておけないと思ったから話したんじゃないかって、俺は思います」
「朝陽くん……」
「ま、何にしてもこれでこの件は解決だな」

 そう陽向が口にしたその時、朝陽のスマートフォンの着信音が鳴り響き、相手は直人から?

「もしもし?」

 急いで電話に出ると電話口の直人はどこか焦った声で、

『藍島、木葉さんに付き纏っていた犯人は別にいる』

 そう言い出した。

「え? それってどういう……」
『今、響と話してたんだけど、確かに木葉さんに声を掛けたことも彼女の自宅最寄り駅に居たのも認めたけど、それはあくまでも偶然なんだ』
「偶然?」
『最寄り駅に居たのは響の知り合いの家がその近くにあるから。彼女の様子を窺ってたのはあくまでも職場周辺から駅まで……藍島のマンションまでついていったりインターホンを鳴らしたりはしてないって。そもそも響はお前の住んでるマンションは知らないって』

 そう直人から聞かされた次の瞬間、部屋にインターホンが鳴り響く。

 その音で亜佑美は怯え、陽向はすぐさまモニターを確認しに行くけれど、

「また居ない……」

 今回もまた来客ではなくて嫌がらせようで朝陽は直人に問いかける。

「先輩は今も、田仲さんと一緒に?」
『ああ、今目の前に居るよ。どうかしたのか?』

 そして直人の返答で、 ストーカーの犯人が別にいることがハッキリしたのだった。
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