恋愛経験ゼロの年下くんが、私の一番になりました
 亜佑美からメッセージを受け取った朝陽は内容を確認するなりすぐに電話をかけると、数回の呼び出し音のあと電話が繋がった。

「もしもし亜佑美さん。大丈夫なんですか!?」

 開口一番、心配そうな声を響かせる。

『うん……ごめんね、急に』
「謝る必要なんてないですよ。それで、その男に心当たりは?」
『ないの……。だから誰なのかまでは分からなくて……』
「そうですか。でも容姿が分かっただけでもこれから気をつけるのに役立ちますから」
『うん……そうだよね』

 少し安心したような亜佑美の声に朝陽も僅かに息を吐く。

「でも……よく分かりましたね。確認する時、相手に気づかれたりはしなかったんですか?」
『あ、その……相手に気づいたのは、私じゃないの』
「え?」
『実は、同期の男の子に被害のことを話してて。それで、たまたまお昼を一緒に食べに行った時に後をつけられてることに気づいてくれたの……』

《同期の男の子》という言葉を聞いた瞬間朝陽の鼓動が大きく跳ね、脳裏に浮かんだのは以前亜佑美と楽しそうに歩いていた界人の姿だった。

(あの男の人か……)

 そう思った途端、それまで感じていた心配とは別の感情が朝陽の胸の奥から湧き上がってくる。

 亜佑美が被害のことを相談していただけでなく、昼食まで一緒に食べていた事実に胸の奥がざわついて仕方がなかった。
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