恋愛経験ゼロの年下くんが、私の一番になりました
「……見たままで言うなら、俺らのことは『邪魔』って意味だろーけど……」

 陽向が写真を見つめたまま低い声で呟いた。

「私の顔も塗りつぶされてるってことは……」

 亜佑美が震える声で言うと陽向は手紙へ視線を移した。

「紙に『こんなにも好きなのに……』って書いてあることを考えると……」

 陽向が言葉を続けようとしたその時、

「陽向!」

 朝陽が鋭い声で遮り、反射的に陽向は口を閉ざす。

「とにかく、北丘さんにも情報共有しよう。その上でこれはもう警察に相談した方がいいかもしれない……」

 朝陽は努めて冷静に告げる。

「……そう、だな。俺が北丘サンに電話掛けるよ」
「ああ」

 そう言って陽向は界人へ電話をかけた。

 その間も亜佑美は立ったまま動けずにいた。

「亜佑美さん、とりあえず座りましょう」

 見兼ねた朝陽がそっと亜佑美の肩を抱いてソファーへ座らせる。

「大丈夫ですからね」
「うん……ありがとう……」

 そんな中、界人との電話を終えた陽向。

「兄ちゃん北丘サン今から家に来るって。直接話した方がいいだろって」
「分かった」

 そんな会話が交わされる中、亜佑美はただ黙って二人を見つめていた。

 そして陽向が先程言いかけたことをふと考える。

『こんなにも好きなのに……』という手紙と、顔が赤く塗りつぶされた写真。

 その意味を考えれば、いくつかの可能性が浮かんでしまう。

 自分のことを好きだったけれど、今はもう好きではないから消した。

 あるいは、好きなのに自分のものにならないから消した。

「……っ」

 どちらの可能性を考えても怖くなり、亜佑美の身体が小さく震えた。
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