恋愛経験ゼロの年下くんが、私の一番になりました
帰り道は思った以上に混んでいた。
県境付近で渋滞にも捕まり、気づけば時刻は夜九時を回ろうとしていた。
「だいぶ遅くなっちゃいましたね……すみません」
「ううん、そんなこと無いよ。送ってくれてありがとう」
亜佑美の住むマンション付近まで辿り着き、車はゆっくり速度を落とした。
そこでふと、亜佑美はあることに気づく。
(そういえば夕飯食べてなかったな)
喫茶店でパンケーキを食べたのが夕方近くだったこともあり、夜景を見終えた頃もまだ、二人ともお腹は空いていなかった。
けれど流石にこのまま食べないのはお腹が空く。
それに朝陽は男の子だし、流石にお腹が空いているかもしれない。
ただ、ここまで来てしまっては今更どこかへ寄ろうとも言い出せない。
そしてマンション駐車場に車が到着したその時、
(……まだ、一緒に居たい……)
その気持ちに背中を押されるように、亜佑美は意を決して口を開く。
「あの……!」
「はい?」
「もし時間大丈夫だったら……」
一瞬躊躇うも勇気を出して、
「家で……ご飯でも、どうかな?」
そう提案した。
「その、パンケーキ食べたの遅かったからお腹空かなかったじゃない? でも、流石にお腹空いてきたなって……」
亜佑美は指先をぎゅっと握りながら言い訳をするように続ける。
「それに、結局お礼出来てないし、これ以上どこかへ連れて行ってもらうのも申し訳ないし……藍島くんが良ければ、なんだけど……家でご飯、食べない? 有り合わせにはなっちゃうけど作るから」
予想もしていなかった誘いだったのか、朝陽は目を丸くした。
「良いんですか? でも、これから作るなんて大変じゃ……」
「ううん、全然!」
慌てて首を横に振る亜佑美。
本来なら付き合ってもいない男を簡単に部屋へ上げたりはしないけれど、朝陽はこの前看病に来てくれた時に既に一度部屋へ上がっている。
それに何より、彼は他の男たちのような下心を持っている人ではない――亜佑美はそう信じていたからこそ、家へ招くことへの躊躇いは不思議な程無かった。
一方で朝陽は暫く固まったように亜佑美を見つめた後、隠しきれない嬉しさがそのまま浮かんだように満面の笑みを見せた。
「その、それじゃあお邪魔します!」
弾んだ声に亜佑美の胸までくすぐったくなる。
「うん」
亜佑美も小さく笑い返すと、朝陽は急いで車を駐車場へ停め直し、エンジンを切って二人で車を降りる。
夜風がふわりと吹き抜ける中、並んでマンションのエントランスへ向かうその時間が、亜佑美にはどこか特別に感じられた。
県境付近で渋滞にも捕まり、気づけば時刻は夜九時を回ろうとしていた。
「だいぶ遅くなっちゃいましたね……すみません」
「ううん、そんなこと無いよ。送ってくれてありがとう」
亜佑美の住むマンション付近まで辿り着き、車はゆっくり速度を落とした。
そこでふと、亜佑美はあることに気づく。
(そういえば夕飯食べてなかったな)
喫茶店でパンケーキを食べたのが夕方近くだったこともあり、夜景を見終えた頃もまだ、二人ともお腹は空いていなかった。
けれど流石にこのまま食べないのはお腹が空く。
それに朝陽は男の子だし、流石にお腹が空いているかもしれない。
ただ、ここまで来てしまっては今更どこかへ寄ろうとも言い出せない。
そしてマンション駐車場に車が到着したその時、
(……まだ、一緒に居たい……)
その気持ちに背中を押されるように、亜佑美は意を決して口を開く。
「あの……!」
「はい?」
「もし時間大丈夫だったら……」
一瞬躊躇うも勇気を出して、
「家で……ご飯でも、どうかな?」
そう提案した。
「その、パンケーキ食べたの遅かったからお腹空かなかったじゃない? でも、流石にお腹空いてきたなって……」
亜佑美は指先をぎゅっと握りながら言い訳をするように続ける。
「それに、結局お礼出来てないし、これ以上どこかへ連れて行ってもらうのも申し訳ないし……藍島くんが良ければ、なんだけど……家でご飯、食べない? 有り合わせにはなっちゃうけど作るから」
予想もしていなかった誘いだったのか、朝陽は目を丸くした。
「良いんですか? でも、これから作るなんて大変じゃ……」
「ううん、全然!」
慌てて首を横に振る亜佑美。
本来なら付き合ってもいない男を簡単に部屋へ上げたりはしないけれど、朝陽はこの前看病に来てくれた時に既に一度部屋へ上がっている。
それに何より、彼は他の男たちのような下心を持っている人ではない――亜佑美はそう信じていたからこそ、家へ招くことへの躊躇いは不思議な程無かった。
一方で朝陽は暫く固まったように亜佑美を見つめた後、隠しきれない嬉しさがそのまま浮かんだように満面の笑みを見せた。
「その、それじゃあお邪魔します!」
弾んだ声に亜佑美の胸までくすぐったくなる。
「うん」
亜佑美も小さく笑い返すと、朝陽は急いで車を駐車場へ停め直し、エンジンを切って二人で車を降りる。
夜風がふわりと吹き抜ける中、並んでマンションのエントランスへ向かうその時間が、亜佑美にはどこか特別に感じられた。