恋愛経験ゼロの年下くんが、私の一番になりました
「弟くん? それなら早く出てあげないと」
亜佑美がそう促すも、朝陽は何故か出たがらない。
「朝陽くん?」
「…………メッセージが届いてて、親父と喧嘩して帰りたくないからって、どうやら今、俺の部屋の前に居るみたいで……」
「ええ!? それなら尚更出ないと」
「…………いや、いいです。出ると余計に厄介なので」
「弟くんっていくつなの?」
「十七歳の高二です」
「十七歳!? 結構歳が離れてるんだね」
「はい……」
「鍵は渡してないの?」
「ええ。鍵を渡すとそれこそいつでも来そうなのであえて渡してないんです」
「そっか……けど、それじゃあ、今日は帰った方がいいんじゃないかな?」
「嫌です! 俺、今日は亜佑美さんと一緒に居るって決めてるので、帰らないです」
「でも……」
「ちょっと説得して今日は帰ってもらうので、少し待っててください」
「うん……」
それだけ言うと、朝陽はリビングを出て廊下で電話を掛け始めた。
けれど、揉めているのかなかなか終わらない。
(お父さんと喧嘩して朝陽くんのところに来たんじゃ、弟くんだって、すんなり帰らないよね、きっと……)
朝陽が自分と一緒に過ごしたいと思ってくれていることは嬉しいし、亜佑美自身も同じ気持ちではあるものの、相手が高校生で尚且つ親と喧嘩しているとなるとすんなり家に帰るとは思えず、朝陽がここに居続けた場合、彼の弟は何処で夜を過ごすのかも気になってしまう。
悩みに悩んだ末に亜佑美はリビングのドアを開けると、「朝陽くん、ちょっと」と小声で言いながら手招きをする。
苛立っている様子の朝陽は、「一旦切る。もう一度掛け直すから」とだけ伝えて電話を切ると、亜佑美の方へ向き直った。
「すみません、お待たせしてしまって……」
「ううん、それはいいけど、弟くんどう? 納得してくれそう?」
「それが……帰らないの一点張りで……」
「そっか……それじゃあやっぱり、今日は帰った方がいいよ」
「なら、こうします! 一旦帰って部屋に入れて、俺、また戻って来ます」
「そんなの大変だし、弟くんを優先してあげて。ね?」
「だけど……」
離れたく無い気持ちは二人とも同じ。
それは痛い程に伝わってくる。
「ねぇ、朝陽くん」
「はい」
「来週の土曜日、空いてる?」
「はい、勿論」
「それじゃあ、来週の土曜日は……一日中、一緒に居てくれる?」
「……それは、勿論」
「それじゃあ決まり! 淋しいけど、今日は止めにしよう。それで、来週は絶対、何があっても……一緒に居てね?」
そう口にした亜佑美は朝陽にギュッと抱きついた。
「……本当にすみません……。来週は絶対、何があっても必ず亜佑美さんの傍に居ます! 約束します!」
「うん、約束ね」
朝陽も亜佑美の背に手を回すと優しく抱きしめながら来週は何があろうと傍に居ることを伝えた。
亜佑美がそう促すも、朝陽は何故か出たがらない。
「朝陽くん?」
「…………メッセージが届いてて、親父と喧嘩して帰りたくないからって、どうやら今、俺の部屋の前に居るみたいで……」
「ええ!? それなら尚更出ないと」
「…………いや、いいです。出ると余計に厄介なので」
「弟くんっていくつなの?」
「十七歳の高二です」
「十七歳!? 結構歳が離れてるんだね」
「はい……」
「鍵は渡してないの?」
「ええ。鍵を渡すとそれこそいつでも来そうなのであえて渡してないんです」
「そっか……けど、それじゃあ、今日は帰った方がいいんじゃないかな?」
「嫌です! 俺、今日は亜佑美さんと一緒に居るって決めてるので、帰らないです」
「でも……」
「ちょっと説得して今日は帰ってもらうので、少し待っててください」
「うん……」
それだけ言うと、朝陽はリビングを出て廊下で電話を掛け始めた。
けれど、揉めているのかなかなか終わらない。
(お父さんと喧嘩して朝陽くんのところに来たんじゃ、弟くんだって、すんなり帰らないよね、きっと……)
朝陽が自分と一緒に過ごしたいと思ってくれていることは嬉しいし、亜佑美自身も同じ気持ちではあるものの、相手が高校生で尚且つ親と喧嘩しているとなるとすんなり家に帰るとは思えず、朝陽がここに居続けた場合、彼の弟は何処で夜を過ごすのかも気になってしまう。
悩みに悩んだ末に亜佑美はリビングのドアを開けると、「朝陽くん、ちょっと」と小声で言いながら手招きをする。
苛立っている様子の朝陽は、「一旦切る。もう一度掛け直すから」とだけ伝えて電話を切ると、亜佑美の方へ向き直った。
「すみません、お待たせしてしまって……」
「ううん、それはいいけど、弟くんどう? 納得してくれそう?」
「それが……帰らないの一点張りで……」
「そっか……それじゃあやっぱり、今日は帰った方がいいよ」
「なら、こうします! 一旦帰って部屋に入れて、俺、また戻って来ます」
「そんなの大変だし、弟くんを優先してあげて。ね?」
「だけど……」
離れたく無い気持ちは二人とも同じ。
それは痛い程に伝わってくる。
「ねぇ、朝陽くん」
「はい」
「来週の土曜日、空いてる?」
「はい、勿論」
「それじゃあ、来週の土曜日は……一日中、一緒に居てくれる?」
「……それは、勿論」
「それじゃあ決まり! 淋しいけど、今日は止めにしよう。それで、来週は絶対、何があっても……一緒に居てね?」
そう口にした亜佑美は朝陽にギュッと抱きついた。
「……本当にすみません……。来週は絶対、何があっても必ず亜佑美さんの傍に居ます! 約束します!」
「うん、約束ね」
朝陽も亜佑美の背に手を回すと優しく抱きしめながら来週は何があろうと傍に居ることを伝えた。