恋愛経験ゼロの年下くんが、私の一番になりました
二人初めての夜
「楽しかったね」
「はい」

 観覧車を降りた二人はそのまま出口へと向かう。

「遊園地ってさ、来た時は凄くワクワクしてて楽しいけど、帰る時は凄く淋しい気持ちになるよね」
「ですね。楽しかった分、淋しい気持ちも大きいのかも」

 そして外へ出た二人はそのまま車まで歩いて行き車へ乗り込んだ。

 普段のデートならばこの後は自宅へ帰る流れなのだが、今日は違う。

「それじゃあホテルへ向かいますね」
「う、うん、お願いします」

 朝陽は車のエンジンをかけると、そのまま車を走らせた。

 パークの駐車場を出ると、すぐ側にあるホテルへ向かい、その敷地へ入って行く。

「え? ホテルって、ここ?」

 亜佑美が驚くのも無理は無い。

 ここはパークと提携しているホテルで、他よりも値段は高いし急遽決めて予約が取れるか分からないところだから。

「予約サイトを見たらたまたま空いてて、折角ならって予約しちゃいました」
「そうなの? でも凄いラッキーだね! 一度泊まってみたかったから嬉しい!」

 車を停めると朝陽はトランクから二人分の荷物を取り出して運んでいく。

「朝陽くん、自分で持つから大丈夫だよ?」
「これくらいどうってことないですから、気にしないでください。さ、行きましょう」
「ありがとう……」

 エントランスへ向かうとホテルの従業員が荷物を受け取ってくれたので、朝陽はそのまま受付へと向かって行った。

 その間亜佑美はソファーに座って待っていたのだけど、内心かなり緊張していた。

(いよいよ、朝陽くんとお泊まり……)

 昼間は全力で楽しんでいた分、改めて考えるとただただ緊張する。

(初めてじゃないけど、初めてみたいな感覚……)

 鼓動が騒がしく、どこか落ち着かない亜佑美の元へ、

「お待たせしました! 行きましょう!」

 受付を済ませた朝陽が戻って来て、二人はエレベーターで部屋へ向かうことに。

 荷物は先に部屋へ届けてもらえるようで、二人だけでエレベーターに乗り込み朝陽が階数のボタンを押す。

「え? 最上階!?」

 朝陽が押したのは客室エリアの最上階で、それが何を意味するのかを考えた亜佑美は驚いて大きな声を上げてしまった。

「はい、折角なので、奮発しちゃいました。亜佑美さんと初めての旅行……ですから」

 そう照れながら笑う朝陽に亜佑美の胸はキュンと鳴った。
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