選べなかった恋の続きを、君と紡いで
「今日は声かけてくれてありがとうね」
「こちらこそ。急だったのにありがとう」
汐月くんのおすすめだという創作和食のお店には、落ち着いた雰囲気が漂っていた。メニューにはお刺身や揚げ出し豆腐といった体に優しそうな魅力的なものがたくさん並んでいる。
「このお店もおいしそう」
食べる前からつい目を輝かせていると、汐月くんがくすっと微笑む。
「味は保証する」
「汐月くんのおすすめ、既に信頼がある」
この前のピザも本当においしくて、まさに頬が落ちるという表現がぴったりなほどだった。悩みながらもまたおすすめを教えてもらい、注文をすませる。
「でも、急に誘ってくれたからびっくりしたよ」
おしぼりで手を拭きながら軽く言ったものの返事がない。あれ? と思い顔を上げると、汐月くんは少し気まずそうに視線を揺らしていた。よく見ると耳が赤い。
「この前、七瀬さんが誘ってくれたことが嬉しかったから」
「え」
「だから、また一緒に行けたらと思って……」
軽く逸らされた目線から、汐月くんの不安と気遣いが伝わってきた。また会いたい。嬉しい。そんなふうに思っていてくれたんだと、思いがけない言葉に胸がじんとする。
「私も驚いたけど嬉しかったよ」
「そっか。それならよかった」
汐月くんのまとっていた空気がほっと緩む。
迷惑だったらどうしよう。強引だったかもしれない。そんなふうに考えていた自分が恥ずかしくて情けない。大人になった汐月くんにばかり気をとられて、今も変わっていない部分をしっかりと見ることができていなかったかもしれない。
「お待たせいたしました」
くすぐったい空気の中、店員さんがお通しとお刺身の盛り合わせを運んできてくれる。綺麗な色のマグロに鯛。エビ。イカ。それから炙られたサーモン。色とりどりのお刺身に大葉が映えていて思わず声が漏れる。
「おいしそう。日本酒にも合いそ……」
そこまで言ったところで、ハッとした。
「……もしかして、私が日本酒好きだって言ってたからここを選んでくれた?」
「ああ、うん」
さらっと当然のことのように答えられてしまった。
ハイ、とお猪口を掲げられたので、胸をいっぱいにしながら重ねる。
「こちらこそ。急だったのにありがとう」
汐月くんのおすすめだという創作和食のお店には、落ち着いた雰囲気が漂っていた。メニューにはお刺身や揚げ出し豆腐といった体に優しそうな魅力的なものがたくさん並んでいる。
「このお店もおいしそう」
食べる前からつい目を輝かせていると、汐月くんがくすっと微笑む。
「味は保証する」
「汐月くんのおすすめ、既に信頼がある」
この前のピザも本当においしくて、まさに頬が落ちるという表現がぴったりなほどだった。悩みながらもまたおすすめを教えてもらい、注文をすませる。
「でも、急に誘ってくれたからびっくりしたよ」
おしぼりで手を拭きながら軽く言ったものの返事がない。あれ? と思い顔を上げると、汐月くんは少し気まずそうに視線を揺らしていた。よく見ると耳が赤い。
「この前、七瀬さんが誘ってくれたことが嬉しかったから」
「え」
「だから、また一緒に行けたらと思って……」
軽く逸らされた目線から、汐月くんの不安と気遣いが伝わってきた。また会いたい。嬉しい。そんなふうに思っていてくれたんだと、思いがけない言葉に胸がじんとする。
「私も驚いたけど嬉しかったよ」
「そっか。それならよかった」
汐月くんのまとっていた空気がほっと緩む。
迷惑だったらどうしよう。強引だったかもしれない。そんなふうに考えていた自分が恥ずかしくて情けない。大人になった汐月くんにばかり気をとられて、今も変わっていない部分をしっかりと見ることができていなかったかもしれない。
「お待たせいたしました」
くすぐったい空気の中、店員さんがお通しとお刺身の盛り合わせを運んできてくれる。綺麗な色のマグロに鯛。エビ。イカ。それから炙られたサーモン。色とりどりのお刺身に大葉が映えていて思わず声が漏れる。
「おいしそう。日本酒にも合いそ……」
そこまで言ったところで、ハッとした。
「……もしかして、私が日本酒好きだって言ってたからここを選んでくれた?」
「ああ、うん」
さらっと当然のことのように答えられてしまった。
ハイ、とお猪口を掲げられたので、胸をいっぱいにしながら重ねる。