選べなかった恋の続きを、君と紡いで
その日からの二週間は怒涛の日々だった。
ただでさえかつかつのスケジュールだった上、こういう時に限ってトラブルが起きるもので、部屋の電球が切れたり、ストックしていた食料の賞味期限を勘違いしていて切らしてしまったりとバタバタしてしまった。
時々汐月くんから送られてくるメールに励まされ、仕事漬けと寝不足の日々をなんとか乗り超えた。
「間に合った……!」
念のためメールの送信済ボックスを確認して、よしと息を吐く。
「はぁ、疲れた~……でも達成感~……」
明日はいよいよ待ちに待った汐月くんとアフタヌーンティーに行く日。いそいそとパソコンの電源を落として、今日のために買ったワンピースとバッグを確認する。今日は明日に備えて疲れをとらないと。むくみも怖いし早めに寝よう。
そうして普段よりも早くにベッドに入った翌朝。目を覚ました私は、全身の気だるさに包まれていた。
「いった……」
ガンガンと響くような頭痛がして、嫌な予感がした。
なんとか耐えつつベッドから下りて、薬などを入れている引き出しから体温計を取り出した。
「……熱、ありませんように」
まさか。いや、間違いなく。でも違っていてほしいという願いを込めながらじっとしていると、ピピっと体温計が音を鳴らす。表示された38.1℃の文字にくらっとした。
やらかした。
体が熱くて重いのは気のせいじゃなかったらしい。意識するととたんに頭の痛みが増したような気がした。
さすがにこの状態では出かけることなんてできそうにない。楽しむどころではないし、汐月くんやお店の人に風邪をうつしてしまったら大変だ。
ドタキャンは申し訳ないけれど、少しでも早く連絡しないと。
「……なんて送ろう」
体調管理ができないなんて情けない。きっと気遣わせる。もう会えなかったらどうしよう。
不安になりながらも謝罪と一緒に体調を崩してしまったことを送るとすぐに、既読がついた。
――『大丈夫か? こっちのことは気にせずゆっくり休んで。また改めて行こう』
「優しい……」
心配の言葉と一緒に並んだ未来の約束。また次があることに、無意識に張り詰めていた気持ちが緩んでいく。
普段なら、ここまで強く気にしないはずだ。もちろん申し訳ない気持ちはあるけれど、不安が強いのは間違いなく体調不良のせいだった。
スマホを枕元において、よろよろと体を起こす。見慣れたはずの部屋の中ががらんとしていて、
高校を卒業してから約十年近く一人暮らしをしているからか、慣れ切った今はほとんど寂しいと感じる時間はなかった。むしろ快適で、自由な楽しさを満喫しているほどだった。でも、体調が悪い時だけは別だった。