選べなかった恋の続きを、君と紡いで
その後はお互いの近況や最近人気の映画の話など雑談を挟みながら打ち合わせを終え、エレベーターホールへと案内してもらう。
しばらく扉の前で話をしていると、階数表示が光り、大椛さんが呼んでくれたエレベーターが到着した。彼女が開くボタンを押してくれたところで、静かな足音が聞こえた。
「あれ、七瀬さん?」
「え?」
聞き覚えのある声の方向に顔を向けた瞬間、えっと声が漏れる。そこにいたのは、腕にジャケットを引っかけたワイシャツ姿の汐月くんだった。
「えっ、汐月くん!?」
どうしてここに? 汐月くんも私と同じように目を瞬かせていて、『開』ボタンを押してくれたままだった大椛さんが首を傾げる。
「一花先生、汐月さんとお知り合いなんですか?」
「中学の同級生なんです」
「ええっ!?」
大椛さんは大げさにのけぞった後、私にだけ聞こえるような声量でこそっと耳打ちしてきた。
「汐月さん、社内でめちゃくちゃモテてるんですよ! かっこいいし仕事できるし!」
まるで有名人と同じ出身だったと知った時のような興奮ぶりだ。
そういえば中学の時も上級生下級生問わず騒がれていたことを思い出した。ただあまり口数が多くなく、愛想がいいわけでもないから(話してみると意外と話しやすいのだけれど)モテるというよりは遠巻きに神聖化されている印象だった。
見た目が良いというのは長所でもありいいこともあるだろうけれど、あれこれ好き勝手に印象づけられるのは大変だろうな……と他人事のように思っていたことを思い出した。
「七瀬さん、先どうぞ」
汐月くんに声をかけようとしたら、ドアのところを押さえながら促された。
「あ……ありがとう。じゃあ、大椛さん、またメールしますね」
「はい、企画書お待ちしてますね~」
私に続いて汐月くんもエレベーターに乗り込んだ。ドアが閉まり、会釈する大椛さんが見えなくなる。
しばらく扉の前で話をしていると、階数表示が光り、大椛さんが呼んでくれたエレベーターが到着した。彼女が開くボタンを押してくれたところで、静かな足音が聞こえた。
「あれ、七瀬さん?」
「え?」
聞き覚えのある声の方向に顔を向けた瞬間、えっと声が漏れる。そこにいたのは、腕にジャケットを引っかけたワイシャツ姿の汐月くんだった。
「えっ、汐月くん!?」
どうしてここに? 汐月くんも私と同じように目を瞬かせていて、『開』ボタンを押してくれたままだった大椛さんが首を傾げる。
「一花先生、汐月さんとお知り合いなんですか?」
「中学の同級生なんです」
「ええっ!?」
大椛さんは大げさにのけぞった後、私にだけ聞こえるような声量でこそっと耳打ちしてきた。
「汐月さん、社内でめちゃくちゃモテてるんですよ! かっこいいし仕事できるし!」
まるで有名人と同じ出身だったと知った時のような興奮ぶりだ。
そういえば中学の時も上級生下級生問わず騒がれていたことを思い出した。ただあまり口数が多くなく、愛想がいいわけでもないから(話してみると意外と話しやすいのだけれど)モテるというよりは遠巻きに神聖化されている印象だった。
見た目が良いというのは長所でもありいいこともあるだろうけれど、あれこれ好き勝手に印象づけられるのは大変だろうな……と他人事のように思っていたことを思い出した。
「七瀬さん、先どうぞ」
汐月くんに声をかけようとしたら、ドアのところを押さえながら促された。
「あ……ありがとう。じゃあ、大椛さん、またメールしますね」
「はい、企画書お待ちしてますね~」
私に続いて汐月くんもエレベーターに乗り込んだ。ドアが閉まり、会釈する大椛さんが見えなくなる。