ほどけるくらい、愛して〜魔術師は異世界から来た運命のひとを逃がさない〜
 そのままくちびるを奪われて、その気持ちよさに気が緩んだ隙に深く重ねられる。

「用意ができたらちゃんと求婚するから、それまでの虫除け」
「むし、よけ……?」
「ん、でもその話はまた今度」

 そう言ってギルベルトは行為を進めていく。
 未知の感覚に思わず涙が目尻を伝い、シーツに落ちる。ギルベルトは、彩瑛の溢れた涙をくちびるで吸い取って、宥めるようにそこにキスを落とした。

「ギルベルト、さま」
「ギルでいいよ。サエにはそう、呼んで欲しい」
「……ギル」
「ん。……続けていい?」
「は、い」

 彩瑛の返事にギルベルトは僅かに表情を緩めた。
 触れられるたびに、彩瑛の体の熱が上がっていく。何度も名前を呼んで、何度もギルベルトは彩瑛の名を呼んでくれた。
 口付けを強請ると、優しいキスが落ちてくる。
 痛みもあったけれど、それすら幸せで――好きな人に触れられることの喜びを噛み締めた。
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