乳吸鬼♀&未来偵察メイド:悪魔と共に在る世界 ※(関連作の目次リンクあり)
(あひいいぃぃぃっ!)
レトラは心の中で、声にならず、言葉にもできない悲鳴を上げた。
(何を言い出すんですか、クラフトマンさん!?)
せっかく勇気を振り絞って弁護して、もう少しで丸く収まって見逃して貰えそうだったのに。そんな挑発するようなことを言ったら水の泡だ。毒気を抜かれたようだったラルティは戦意を取り戻しても好戦的に唇を歪めた。
クラフトマンは落ち着き払っている。妙に自信ありげである。
「私が、そこいらの人間のように簡単に倒せるとでも思うのかね?」
「ああ、殺してやるよ!」
「ほほう、そうかね?」
目を血走らせたラルティに、初老のクラフトマンは微笑んだ。たしかに彼は「鬼族」(デビルノーブル)の魔族で、ハーフの混血とはいえ強力のドワーフだから、普通の人間の老人よりも遥かに強いのだろう。魔術くらいは使えそうでもある。
レトラは諦めて、クラフトマンに任せることにする。弁護や仲介はしようとしたのだし、もはや善意の努力義務は果たした。この調子だと、おそらくはラルティが捕縛や殺されそうにも思われたが、自己責任だし面倒見切れない。
横にどいた彼女の脇をすり抜けるようにして、豹のようなラルティが襲いかかる。
「むっ!」
肉包丁の横一線の一振りで、バラバラと二本の指が落ちた。防ごうとして切られたのであった。
それでもさすがは魔族。
手から電光と火炎を発する。
だがそこにラルティはいなかった。
とうに横に回り込んで、クラフトマンの顔面を殴り飛ばしたようだった。早すぎてよく見えなかったが、老人は地面にぶっ倒れているから、そういうことなのだろう。再び火炎を出そうと身構えのばした手ごとに、ラルティはやや弧を描く蹴り込みでクラフトマンの頭を蹴り飛ばす。訓練されたプロフェッショナルな動きだった。
さながら獲物にトドメを刺す狩人のごとき風格をみなぎらせ、やたらとクールでスタイリッシュに肉包丁を構えるラルティ。静かな達人のオーラで必殺技でも出しそう。完全に殺る気だった。
(嘘ぉ! うそでしょ? クラフトマンさん大口叩いて弱すぎない? ううん? このラルティさんが強すぎるの?)
レトラは頭の中がグルグル回り出す。事態が予想外すぎてついていけない。
いよいよ屠ろうと襲いかかるラルティに、とっさに止めようと身体が動く。考えての行動というよりは、目の前で人が殺されるのを止めようという本能的な衝動。レトラはいつの間にかクラフトマンを「自分と同じ人間」と思っていたらしいことに自分でも少し驚く。
けれどももっと驚くことが起きた。
なんと、レトラが横から止めようと足を踏み出して手を伸ばし、「間に合わない」と思ったときに、ラルティが吹っ飛んだ。少し光が出たようで、レトラは自分が魔術の衝撃波を放ったらしいことに気づいてびっくりする。
(え? 私、今、魔法使った?)
他に、ラルティが不自然に吹っ飛んだ理由は見あたらない。
レトラの乳房の奥で何かが熱を持って疼く。
(あの針?)
あの古代の白金貨を投げ与えた謎の青年。
彼が無作法に刺していった(抜いて取り出せない)「針」。あれが何かしらの効果があったらしい。
レトラは心の中で、声にならず、言葉にもできない悲鳴を上げた。
(何を言い出すんですか、クラフトマンさん!?)
せっかく勇気を振り絞って弁護して、もう少しで丸く収まって見逃して貰えそうだったのに。そんな挑発するようなことを言ったら水の泡だ。毒気を抜かれたようだったラルティは戦意を取り戻しても好戦的に唇を歪めた。
クラフトマンは落ち着き払っている。妙に自信ありげである。
「私が、そこいらの人間のように簡単に倒せるとでも思うのかね?」
「ああ、殺してやるよ!」
「ほほう、そうかね?」
目を血走らせたラルティに、初老のクラフトマンは微笑んだ。たしかに彼は「鬼族」(デビルノーブル)の魔族で、ハーフの混血とはいえ強力のドワーフだから、普通の人間の老人よりも遥かに強いのだろう。魔術くらいは使えそうでもある。
レトラは諦めて、クラフトマンに任せることにする。弁護や仲介はしようとしたのだし、もはや善意の努力義務は果たした。この調子だと、おそらくはラルティが捕縛や殺されそうにも思われたが、自己責任だし面倒見切れない。
横にどいた彼女の脇をすり抜けるようにして、豹のようなラルティが襲いかかる。
「むっ!」
肉包丁の横一線の一振りで、バラバラと二本の指が落ちた。防ごうとして切られたのであった。
それでもさすがは魔族。
手から電光と火炎を発する。
だがそこにラルティはいなかった。
とうに横に回り込んで、クラフトマンの顔面を殴り飛ばしたようだった。早すぎてよく見えなかったが、老人は地面にぶっ倒れているから、そういうことなのだろう。再び火炎を出そうと身構えのばした手ごとに、ラルティはやや弧を描く蹴り込みでクラフトマンの頭を蹴り飛ばす。訓練されたプロフェッショナルな動きだった。
さながら獲物にトドメを刺す狩人のごとき風格をみなぎらせ、やたらとクールでスタイリッシュに肉包丁を構えるラルティ。静かな達人のオーラで必殺技でも出しそう。完全に殺る気だった。
(嘘ぉ! うそでしょ? クラフトマンさん大口叩いて弱すぎない? ううん? このラルティさんが強すぎるの?)
レトラは頭の中がグルグル回り出す。事態が予想外すぎてついていけない。
いよいよ屠ろうと襲いかかるラルティに、とっさに止めようと身体が動く。考えての行動というよりは、目の前で人が殺されるのを止めようという本能的な衝動。レトラはいつの間にかクラフトマンを「自分と同じ人間」と思っていたらしいことに自分でも少し驚く。
けれどももっと驚くことが起きた。
なんと、レトラが横から止めようと足を踏み出して手を伸ばし、「間に合わない」と思ったときに、ラルティが吹っ飛んだ。少し光が出たようで、レトラは自分が魔術の衝撃波を放ったらしいことに気づいてびっくりする。
(え? 私、今、魔法使った?)
他に、ラルティが不自然に吹っ飛んだ理由は見あたらない。
レトラの乳房の奥で何かが熱を持って疼く。
(あの針?)
あの古代の白金貨を投げ与えた謎の青年。
彼が無作法に刺していった(抜いて取り出せない)「針」。あれが何かしらの効果があったらしい。