乳吸鬼♀&未来偵察メイド:悪魔と共に在る世界 ※(関連作の目次リンクあり)
第六話 悪魔と共にある祭り
(1)
ルントゥとレトラがやや細い道にさしかかったとき、目の前で三四人の男がたむろしているのが目に入った。フードのある服を着ていたが、雰囲気で魔族らしいと感じる。
一般には、魔族は日中にはあまり出歩きたがらない。彼らは人肉を食べていると、銀だけでなく日光にもアレルギーが出たりするそうで。それによって致命的なわけではないから、用事があるのでない限りは太陽の下を出歩きたがらない。
だから、こんな昼間に魔族に出くわすのは。
何か意図があるとしか思えない。
「ルンちゃん♪」
やたらと親しげで馴れ馴れしい呼びかけかただったけれども、ルントゥの様子や反応からするとむしろ警戒しているようだった。
ものすごく悪い予感がした。
「買い物の帰りなの。早く帰って、冷蔵ボックスに入れないと」
さっさと通り過ぎようと突き進んでいく。
いつの間にか背後の道にも、三人くらいで塞がれているのだった。ルントゥは退路を断たれたのを察知して無理矢理にでも突破しようと考えたらしい。家がある、安全度の高いご近所の街区に近づければ、知っているエルフやドワーフたちが何人か飛び出してきてくれるかもしれない。
ここでは、たぶん助けを求めたところで、魔族たちに逆らってまで助けてくれる人間がいるとも思えない。それでもエルフやドワーフの誰かがたまたま近くにいるかもしれない。だけれども一人くらい駆けつけてきたところで六人も七人もの魔族をどうにかできるだろうか。
「離せ」
ルントゥが二人がかりで捕まっている。
「ルンちゃん、冷たくすると食べちゃうぞ♪ 人間の交雑種だから、どんな味がするのかな?」
彼女は人間とのハーフだから、そういう意味でも甘く見られたり、狙われるのかもしれない。たとえ混血でも、エルフやドワーフなら同族から報復されるリスクがあるゆえに心理的な牽制になって安全度は高いらしい。ところがルントゥはそういう面での潜在的な脅威度は低かった。
そもそも魔族は「力が全て」で暴力的で通常の倫理観が通用せず、恐怖と残虐性で帝国を支配しながら内ゲバや抗争している。おまけに「共食いすら辞さない」し、暴力行使や殺戮やレイプも日常のご挨拶でしかないらしい。誇張はあるのかもしれなかったが、異常で危険な連中で、むしろ混血で穏和なルントゥやクラフトマンの方が例外なのかもしれない。
「やめろよ!」
ルントゥが本気で怒って嫌がっているが、怯えて怖がっているようでもあった。たとえ彼女であっても、魔族の男性二三人で捕まえられたら、腕力では敵うはずもなかった。
見捨てるわけにはいかない。
レトラは腹を括って思い切った行動に出る。
いきなりワンピースを脱ぎ捨てる。
「ちょっと! ルンを離して!」
あっけにとられる男たちにたたみかける。
「襲うんだったら、私をどうぞ! こう見えたって処女だから、文句ないでしょう?」
「いや、おい。魔族のルントゥお嬢さんと、下郎下僕の奴隷女と同じ値打ちあるか? 処女なんか、一回やっちまったらそれだけだし、楽しめるのは最初の一人だけだろ?」
やたらと冷静なツッコミが入って、みんなでゲラゲラと下卑た笑い声。
だがそれで隙ができた。
次の瞬間、電撃が瞬いていた。
ルントゥが魔法の雷を放ったのだ。狙いは男たちの急所だ。電撃は狙いを定めるのが難しいらしいのだが、これだけ近ければ。
「うぎゃあ!」
「ぐぐぅ……」
「ぐぎぃ」
泡を吹いて白眼でぶっ倒れた者もいる。股間を抑えてうずくまり苦悶にのたうち回る男たちは哀れで滑稽だったけれども、それどころではない。
「レトラ!」
叫んで走り出したルントゥのあとを、全力疾走で追いかける。裸のままで。
ルントゥとレトラがやや細い道にさしかかったとき、目の前で三四人の男がたむろしているのが目に入った。フードのある服を着ていたが、雰囲気で魔族らしいと感じる。
一般には、魔族は日中にはあまり出歩きたがらない。彼らは人肉を食べていると、銀だけでなく日光にもアレルギーが出たりするそうで。それによって致命的なわけではないから、用事があるのでない限りは太陽の下を出歩きたがらない。
だから、こんな昼間に魔族に出くわすのは。
何か意図があるとしか思えない。
「ルンちゃん♪」
やたらと親しげで馴れ馴れしい呼びかけかただったけれども、ルントゥの様子や反応からするとむしろ警戒しているようだった。
ものすごく悪い予感がした。
「買い物の帰りなの。早く帰って、冷蔵ボックスに入れないと」
さっさと通り過ぎようと突き進んでいく。
いつの間にか背後の道にも、三人くらいで塞がれているのだった。ルントゥは退路を断たれたのを察知して無理矢理にでも突破しようと考えたらしい。家がある、安全度の高いご近所の街区に近づければ、知っているエルフやドワーフたちが何人か飛び出してきてくれるかもしれない。
ここでは、たぶん助けを求めたところで、魔族たちに逆らってまで助けてくれる人間がいるとも思えない。それでもエルフやドワーフの誰かがたまたま近くにいるかもしれない。だけれども一人くらい駆けつけてきたところで六人も七人もの魔族をどうにかできるだろうか。
「離せ」
ルントゥが二人がかりで捕まっている。
「ルンちゃん、冷たくすると食べちゃうぞ♪ 人間の交雑種だから、どんな味がするのかな?」
彼女は人間とのハーフだから、そういう意味でも甘く見られたり、狙われるのかもしれない。たとえ混血でも、エルフやドワーフなら同族から報復されるリスクがあるゆえに心理的な牽制になって安全度は高いらしい。ところがルントゥはそういう面での潜在的な脅威度は低かった。
そもそも魔族は「力が全て」で暴力的で通常の倫理観が通用せず、恐怖と残虐性で帝国を支配しながら内ゲバや抗争している。おまけに「共食いすら辞さない」し、暴力行使や殺戮やレイプも日常のご挨拶でしかないらしい。誇張はあるのかもしれなかったが、異常で危険な連中で、むしろ混血で穏和なルントゥやクラフトマンの方が例外なのかもしれない。
「やめろよ!」
ルントゥが本気で怒って嫌がっているが、怯えて怖がっているようでもあった。たとえ彼女であっても、魔族の男性二三人で捕まえられたら、腕力では敵うはずもなかった。
見捨てるわけにはいかない。
レトラは腹を括って思い切った行動に出る。
いきなりワンピースを脱ぎ捨てる。
「ちょっと! ルンを離して!」
あっけにとられる男たちにたたみかける。
「襲うんだったら、私をどうぞ! こう見えたって処女だから、文句ないでしょう?」
「いや、おい。魔族のルントゥお嬢さんと、下郎下僕の奴隷女と同じ値打ちあるか? 処女なんか、一回やっちまったらそれだけだし、楽しめるのは最初の一人だけだろ?」
やたらと冷静なツッコミが入って、みんなでゲラゲラと下卑た笑い声。
だがそれで隙ができた。
次の瞬間、電撃が瞬いていた。
ルントゥが魔法の雷を放ったのだ。狙いは男たちの急所だ。電撃は狙いを定めるのが難しいらしいのだが、これだけ近ければ。
「うぎゃあ!」
「ぐぐぅ……」
「ぐぎぃ」
泡を吹いて白眼でぶっ倒れた者もいる。股間を抑えてうずくまり苦悶にのたうち回る男たちは哀れで滑稽だったけれども、それどころではない。
「レトラ!」
叫んで走り出したルントゥのあとを、全力疾走で追いかける。裸のままで。