乳吸鬼♀&未来偵察メイド:悪魔と共に在る世界  ※(関連作の目次リンクあり)

第七話+(おまけのエピローグ)

「わんわん、ワン!」

 街角の道端で、魔族らしき裸の女がしゃがんでチンチンのポーズで餌をねだっている。餌皿に立ち小便されたのを嬉しそうに飲んでいる。
 あの「霧と暴動」の一夜に気が狂ってしまった。

「あれでも、元は「残酷な貴婦人」で通っていたんだよ」

 買い物にきたレトラに、店主のフランパン夫人が苦笑しながら親指で示す。彼女はかつてレトラを檻から特別オークションの立食会に連れて行った人物だった。
 あの晩に彼女の小さな屋敷も暴徒に襲撃されて、略奪されたらしい。
 だがやっていたことが奴隷の仲買や女衒・遣り手婆と大差なかったとはいえ、やり方が多少ともに良心的だったこともあり(若い女奴隷を比較的にましな買い手に紹介していた)、命ばかりは助かったのだという。たとえ半分が欲での行動であったとしても人助けの自己満足面もあって、実際それで最悪を免れた娘たちやその家族からは(非難や陰口されつつ)感謝されていたため、少しは弁護してもらえたのだとか。
 今は布地と雑貨店に食堂・酒場、売春宿と愛人の紹介業をやっている。かつて仲介した娘たちの何人かが、主の魔族の横死や諸般事情でフリーになったために利害が一致したのだとか。

「よしよし、良い子ね」

 ルントゥがあやして遊んでいるのは、出戻り娘が出産した魔族ハーフの赤ちゃん。出自が似ているせいなのか親近感や同情心があるらしく、「母乳を出させる魔法」を自ら授乳して伝授している。
 吸血鬼と並んで乳吸鬼(ちすいおに、ミルクサッカー)という類型がポピュラーになるのも、もはや時間の問題なのかもしれなかった。


(第一章「悪魔と共にある世界」了)
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