乳吸鬼♀&未来偵察メイド:悪魔と共に在る世界 ※(関連作の目次リンクあり)
(2)
「どうして、こんなものを持っている? これは身代金の前金か何かなのか? 誰かに立て替えて貰ったのか?」
震えながら、裸のさらし者にされて。
ゆっくりと頭と感覚が麻痺してきて、ゆっくりと気が変になっていくのが自分でもわかっていた。心が疲れてきて「どうにでもなれ」とすら思えてきた。
飲み食いする客たちから、ぶしつけな視線に晒され、一糸まとうことすら許されずに、笑いものの見世物や陳列商品にされている。自分の立場を骨身に染みて思い知らされる。これが男だったら笑って居直るかもしれないけれど、年若い娘の身としては羞恥心と屈辱感は極限にまで達する。
きっと、押しひしがれていく人間というのはこういう感情や形はどうであれ似た意味合いのプロセスを重ねて、無感覚と無力感に擦り切れていくのだろう。早々とした諦めが胸を突くようだった。
(ああ、なんてこと!)
さらに悪いことは重なるものなのか、あの銀貨もあっさりとばれてしまった。酔っぱらったバカな男がふざけて服を拾い上げ、パンティをヒラヒラやったら銀貨がチャリンと落ちた。
まさかこうなるとは思いもよらなかった。
最悪には取り上げられるとか、必要にかられて安く使うことも考えはしたけれど、いざとなってみると、心の中でどれだけ執着しているかがわかってくる。お金、なけなしの金! もちろんお金が大事なことくらいは昔から百も承知してはいるけれども、そのために手段を選ばない悪党やあまりにも卑しい執着しすぎる守銭奴みたいなのには、貧しい村娘ながらに軽蔑していた。それでも今の我が身で、最後のわずかであろうとも、まとまった金!が無為に失われそうな事態で心が動転してしまう。
「そ、その銀貨はっ!」
レトラは震えてくる喉と声で、懸命になって権利と正当性を主張して、返して貰おうと勇気を奮い起こす。「売却中の奴隷」の分際でものを申すという行動からして命がけなのかもしれなかったが、その価値がその僅か一枚の硬貨にはあった。
根源的な卑しさが行動の勇気になる。
「ろ、牢屋の、道の檻でいたときに、い、いたとき、とうりの、通りかかった人が恵んでくれて、わ、私に投げてくれて。檻の中に、「餞別」って」
言葉すらたどたどしくなって呂律が回らなくなっている。興奮しすぎて頭がカンカンの薬缶のようになってくるし、頬や首筋が熱くなっているのがわかる。レトラは素っ裸の格好で赤くなって、まるで猿にでもなってしまった気がした。
他人の目からしたら滑稽で無様で、もしかしたら自分の命をあたら危険に晒しているのかも知れなかったが(だから人間は死んだり破滅するが、そうでなければ生きていけない世の中だ!)、それどころではなかった。どうせ失うものがあるでもなく、どうせ全てが失われたも同然の身の上。これ以上に何かをとられるわけにいかない。そんななけなしの金!の有無で、何かの機会に今後の生存が左右されることすらありうるのだから、なおさらだった。
あたら失うのは耐えられない!
「どうして、こんなものを持っている? これは身代金の前金か何かなのか? 誰かに立て替えて貰ったのか?」
震えながら、裸のさらし者にされて。
ゆっくりと頭と感覚が麻痺してきて、ゆっくりと気が変になっていくのが自分でもわかっていた。心が疲れてきて「どうにでもなれ」とすら思えてきた。
飲み食いする客たちから、ぶしつけな視線に晒され、一糸まとうことすら許されずに、笑いものの見世物や陳列商品にされている。自分の立場を骨身に染みて思い知らされる。これが男だったら笑って居直るかもしれないけれど、年若い娘の身としては羞恥心と屈辱感は極限にまで達する。
きっと、押しひしがれていく人間というのはこういう感情や形はどうであれ似た意味合いのプロセスを重ねて、無感覚と無力感に擦り切れていくのだろう。早々とした諦めが胸を突くようだった。
(ああ、なんてこと!)
さらに悪いことは重なるものなのか、あの銀貨もあっさりとばれてしまった。酔っぱらったバカな男がふざけて服を拾い上げ、パンティをヒラヒラやったら銀貨がチャリンと落ちた。
まさかこうなるとは思いもよらなかった。
最悪には取り上げられるとか、必要にかられて安く使うことも考えはしたけれど、いざとなってみると、心の中でどれだけ執着しているかがわかってくる。お金、なけなしの金! もちろんお金が大事なことくらいは昔から百も承知してはいるけれども、そのために手段を選ばない悪党やあまりにも卑しい執着しすぎる守銭奴みたいなのには、貧しい村娘ながらに軽蔑していた。それでも今の我が身で、最後のわずかであろうとも、まとまった金!が無為に失われそうな事態で心が動転してしまう。
「そ、その銀貨はっ!」
レトラは震えてくる喉と声で、懸命になって権利と正当性を主張して、返して貰おうと勇気を奮い起こす。「売却中の奴隷」の分際でものを申すという行動からして命がけなのかもしれなかったが、その価値がその僅か一枚の硬貨にはあった。
根源的な卑しさが行動の勇気になる。
「ろ、牢屋の、道の檻でいたときに、い、いたとき、とうりの、通りかかった人が恵んでくれて、わ、私に投げてくれて。檻の中に、「餞別」って」
言葉すらたどたどしくなって呂律が回らなくなっている。興奮しすぎて頭がカンカンの薬缶のようになってくるし、頬や首筋が熱くなっているのがわかる。レトラは素っ裸の格好で赤くなって、まるで猿にでもなってしまった気がした。
他人の目からしたら滑稽で無様で、もしかしたら自分の命をあたら危険に晒しているのかも知れなかったが(だから人間は死んだり破滅するが、そうでなければ生きていけない世の中だ!)、それどころではなかった。どうせ失うものがあるでもなく、どうせ全てが失われたも同然の身の上。これ以上に何かをとられるわけにいかない。そんななけなしの金!の有無で、何かの機会に今後の生存が左右されることすらありうるのだから、なおさらだった。
あたら失うのは耐えられない!