好きになった人は、みんなのアイドルで 4

5話 彼女

「ごちそうさま。払ってくれてありがとう」
お店を出てお辞儀する。

「やってみたかったんだよ、かっこいいじゃん」
照れ笑いする悠太郎くん。

こうやって飾らないところが、結構好きだったりする。

「なんか見てく?それとも家来る?」
「……まあ、母さんと姉ちゃんが楽しみに待ってるけど」

「ねえ、私気に入ってもらえるかな」
これから悠太郎くんのご家族に会うなんて、緊張する。

「もう気に入ってるんだって」
「姉ちゃんなんか、午後休みにしたとか言ってさ」
「母さんは何種類もパウンドケーキ焼いてたし」
何が面白いのか、悠太郎くんはクスクス笑いながら話す。
「父さんも、今日は早く帰るからって言って朝行った」

「……どうしよう、そんな楽しみにしてもらえるほどの人間じゃない」

ほんとに不安。
この間、急に押し掛けた御無礼も謝りたいし。

「まじで大丈夫、ほんとに」
「あと、俺いるし」

悠太郎くんが、握った手をトントンとしてくれる。

悠太郎くんの顔を見上げたら
「大丈夫」って微笑んでくれる。

「……悠太郎くんの彼女って、認めてもらえるかな」

小さく呟いたら、
「だからもう超気に入ってるんだって、まじで」
って笑われた。
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