好きになった人は、みんなのアイドルで 4

6話 朝倉家

「着いたよ……って、1回来てるもんね」
悠太郎くんが笑うけど、私は全然笑えない。
心臓が口から出てきそう。

「行くよ?」
悠太郎くんが顔を覗き込んでくる。
小さく頷くと、悠太郎くんが玄関の扉を開ける。

「ただいま、紬連れてきたよ」

ダダダッと足音が聞こえる。
「つむぎちゃん!いらっしゃい!」
「結衣です!悠太郎の姉です!」

「はじめまして、朝比奈紬です」
「……悠太郎くんとお付き合いさせてもらっています」
「泊まらせていただいてありがとうございます」
「よろしくお願いします……!」

「会えるの楽しみにしてた」
「上がって」

笑顔が、悠太郎くんとそっくり。

「ありがとうございます」
「お邪魔します」

「つむぎちゃん、いらっしゃい」
「遠いところお疲れ様、ありがとうね」
「紅茶で良かった?」
悠太郎くんのお母さんが声を掛けてくれる。

「はい、ありがとうございます」
テーブルを見ると、色とりどりの焼き菓子。
「わあ、すごい」
思わず声が漏れた。

「楽しみで作りすぎちゃったの、食べて」
悠太郎くんのお母さんが笑う。

この間は必死で気付かなかったけど、
悠太郎くんの笑った顔とそっくりだった。

「先日は急に押し掛けてすみませんでした」
「今回は泊まらせていただいてありがとうございます」
「よろしくお願いします」

「いいのいいの。この間は本当にありがとうね」
「悠太郎を助けてくれてありがとう」

「あ、いえ……そんな……」
まっすぐお礼を言われて、なんて返したらいいのか分からない。

「俺の命の恩人だから、ちゃんともてなしてね」
悠太郎くんが笑う。

なんか、もう朝倉家が好きだった。
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