45歳派遣OL、年下上司に囲われて溺愛されました
「井川さんは? 何で帰るの?」

心臓が跳ねる。部長の鋭い目が、私の困惑を見抜いているようだった。

「ええっと……バス、ですかね」

「この辺にバス停はないよ。さっきの角を曲がったところまで行かないと」

部長の即答に、私は言葉を失う。

……ああ、終わった。適当な言い訳すら通用しない。

「タクシー……に乗ろうかと」

「ええ、そうですね」

適当に答え、私は逃げるように道路へ歩き出した。

家まで歩いて帰ればいい。

夜風は少し肌寒いけれど、恥をかくよりはずっといい。

私は大きな通りに向かって足を速めた。

一時間歩けば、きっとアパートに着くはずだ。

その時だった。

「待て」

ふいに、腕が強く捕まえられた。

引き止められ、振り返ると、そこには眉をひそめた部長の姿があった。

「部長……?」
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