45歳派遣OL、年下上司に囲われて溺愛されました
彼の瞳は冷徹なほどに理性的で、けれどそこには確かな「部下を守る」という意志があった。

彼は、個人の能力を責めるのではなく、チームとしての最適解を常に選ぶ。

そんな彼だからこそ、私は尊敬の念を抱き続けてきたのだ。

「井川さん」

彼がふと、表情を緩めた。

いつもは見せない、ごく僅かな微笑。

その温度に、胸がチクりと痛む。

彼との距離は、常に一定に保たれているはずだった。

部長と派遣社員。上司と部下。

決して越えてはいけない、透明な壁があるはずなのに。

「君だけで背負う必要はない。責任は俺がとるから」

真っ直ぐに向けられたその言葉は、まるで魔法のように私の焦りを鎮めていった。

私は、この人が好きだ。

尊敬という言葉では片付けられない、もっと重たくて、取り返しのつかない感情が胸の奥で渦を巻く。
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