45歳派遣OL、年下上司に囲われて溺愛されました
「部長……ありがとうございます」

声が震えないように、唇を噛む。

45歳。もうときめきなんて、私には似合わない言葉だと思っていた。

仕事をして、帰って、眠る。

そんな平穏な日々の中に、羽間直哉という存在だけが、鮮やかな色を落としていく。

彼が去った後のデスクで、私は小さく息を吐く。

手伝ってくれる同僚に感謝を伝えながら、私の心はさっきの彼の微笑みを反芻していた。

「責任は、俺がとるから」

その言葉の響きが、耳から離れない。

もし、これが仕事の話じゃなかったら。

もし、私の人生の責任まで彼が取ってくれると言ったら。

勘違いなんて、惨めになるだけだ。

今のままでいい。

彼の下で、優秀な部下として働き続けること。

それが私の、ささやかな幸せの形なのだと、自分自身に言い聞かせた。

オフィスに溶け込む影の中で、私は黙々とキーボードを打ち続ける。

けれど、胸の奥で灯った小さな熱は、隠そうとすればするほど、夜の闇の中で強く輝き始めていた。
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