一流御曹司は若い婚約者よりも45歳の私を溺愛する
付き合っていた恋人に突然捨てられ、ひどく落ち込んでいた時期があったのだ。

「私はもう、二度と誰かと結婚なんてしないかもしれない」

そう言って泣いていた妹が、新しい人と出会い、こうして家庭を築いて愛らしい子供まで産んだ。

それは、私にとっても心から喜ばしい幸せだった。

紗良がコーヒーを飲みながら、ふと私を見た。

「ねえ、お姉ちゃん。結婚しないの? もうずいぶん一人暮らしが長いじゃない」

私は苦笑して、花びらの端を整えた。

「うーん。相手がいないわよ。こればかりは努力でどうにかなるものじゃないしね」

正直なところ、私にはもう、恋や結婚がひどく遠いものに思えた。

若い頃のように、ただ情熱だけで誰かと向き合うようなエネルギーは残っていないのかもしれない。

「やっぱり年齢のせいかしらね。自分ひとりで過ごす時間の快適さに、すっかり慣れすぎちゃったのよ」
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