一流御曹司は若い婚約者よりも45歳の私を溺愛する
そして最後は、いつも相手から別れを告げられるのだ。

「私には、誰かを愛し続ける器用さが足りなかったのかしら」

ふと、そう思う。誰かのために花を選び、持ち帰る人たちの幸せな顔を見るのは大好きだ。

けれど、自分の幸せを形にすることは、仕事よりもずっと難しいパズルみたいだ。

「次、付き合う人とは結婚したいな」

誰に聞かせるでもなく、私はポツリと呟いた。

そんなことを言うと、自分の中の誰かが「どの口が言うの?」と皮肉めいた笑みを浮かべる気がして、すぐにかき消す。

「……なんて。贅沢ね」

店に並ぶ花たちは、誰かに愛されるために選ばれていく。

「あなたたちはいいわね。誰かの特別な日を飾れるもの」

そう言って、私はラナンキュラスの花びらをそっと指で撫でた。
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