一流御曹司は若い婚約者よりも45歳の私を溺愛する
それでも、彼の手の中に収まった私の花束が、彼をこれからどこかへ連れて行くのだと思うと、たまらなく愛おしかった。

ラッピングを整える私の手元を、彼がじっと見つめていることに気づいた。

花束を包む紙に神経を集中させていたはずなのに、背中にまで彼の視線が届いているような熱を感じる。

「ええっと……」

作業の手が止まった。

彼に見つめられているという意識が、指先をわずかに震わせる。

私は戸惑い、無意識のうちに花束の影へと自分の手をすっと隠した。

恥ずかしさと緊張が入り混じり、視線を合わせることができない。

「……私の手に、何かついていましたか?」

恐る恐る尋ねると、彼は少しだけ表情を緩めた。

「いえ」

彼は短くそう答えると、小さくクスリと笑った。

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