一流御曹司は若い婚約者よりも45歳の私を溺愛する
その声音には、からかうような響きはなく、ただ真っ直ぐな肯定だけがあった。

「とても綺麗な手をしていたので」

その言葉が、耳から心臓の奥へと滑り込んでくる。

カッと、顔が一気に熱くなるのが分かった。

これまで幾度となく花を束ね、誰かのためにリボンを結んできたけれど。

自分の手そのものを誰かに褒められたことなんて、一度もなかった。

ましてや、こんなにも洗練された男性に。

私は隠していた手を、そっと膝の上に下ろした。

普段から、こうした手仕事の合間には、欠かさずハンドクリームを塗るようにしている。

乾燥してガサガサになった手では、繊細な花びらを傷つけてしまうからだ。

日々のささやかな習慣が、こうして彼に見つけてもらえたのだと思うと、なんだか自分が少しだけ報われたような気がした。
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