一流御曹司は若い婚約者よりも45歳の私を溺愛する
誰に言い訳をするでもなく、私は鏡の中の私に微笑みかけてみる。

「それだけが、私の魅力じゃないわよ」

そう自分に言い聞かせて、最後にもう一度、クリームの感触を肌に馴染ませた。

年齢を重ねたことによる変化は、ただの「劣化」ではないはずだ。

15年間、店を守り抜き、数えきれないほどの人たちの記念日を見守ってきた。

その経験は、今の私の表情に何かしらの深みを与えてくれていると信じたい。

店に出て、昨日仕入れたトルコキキョウの様子を確認する。

「あなたたちも、綺麗よ。若さだけが美しさじゃないわよね」

花たちにそう語りかけると、まるで応えるように瑞々しい花びらが揺れた気がした。

ふと、外の空を見上げる。今日も良い天気になりそうだ。
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