一流御曹司は若い婚約者よりも45歳の私を溺愛する
花の命を整え、美しさを引き出す作業は、私の心を清らかに保ってくれる。

ふと見ると、店の外で若いカップルが足を止めていた。

彼らは店の前のブーケを覗き込み、楽しそうに笑い合っている。

微笑ましい光景に、私は自然とドアを開けて声をかけていた。

「こんにちは。そちらのブーケ、500円でお買得になっていますよ」

彼女がパッと顔を輝かせた。

「わあ、本当だ。すごく可愛いね」

「うん、綺麗だね。これにしようか」

彼氏の方が、迷いなくピンクのブーケを手に取った。

二人はそのまま、店内に歩み寄ってきた。

レジを打ちながら、私は二人の空気感に目が細くなる。

「ありがとうございます。こちらでよろしいですか?」

「はい、お願いします」
< 7 / 30 >

この作品をシェア

pagetop