とろけてほどけて愛になる〜友達の恋人の友達は、私を癒して甘やかす〜
黒色の縦長のワインセラーの中には、様々な種類のワインが何本も冷やされているのが見える。
「兄が友達と一緒に、フランス産のワインのイベントを企画したんだ。その時にいろいろもらったらしいんだけど、兄さんの奥さんが妊娠中だから、あまり家にお酒を置いておきたくないんだって。だから俺のところにたくさん回ってきたんだよね」
「そんなイベントがあったんですね。行ってみたかったな……」
好きなことをしている時は、嫌なことも忘れられる。そんなことを思いながら、ふとスマートフォンに届いたメッセージのことを思い出し、眉間に皺を寄せた。
「へぇ、佐津川さんがワインが好きって知らなかった。兄さんの友達、ワインの製造にも関わってるって言ってたから、また聞いてみるよ」
「ありがとう……ございます」
感情が入り乱れ、うまく笑えたかわからなかった。だからお礼を言い体で下を向き、顔を見られないようにした。
「このワインセラーさ、兄からワインと一緒に送られてきたんだよ。なんかやることが男前というか、大胆っていうか。じゃあ白ワインの中から選ぼうか。どうせなら飲み比べとかしてみる?」
愛梨は大きく見開いた目を、パッと輝かせる。
「そんな……! いいんですか?」
「貰いものだし、佐津川さんみたいにワインが好きな人に楽しんでもらえたら、俺もワインも本望だよ」
「……津山くん、昔から思っていたけど、すごくいい人ですね」
「あはは。そうかな、じゃあそういうことにしておこう。気になるワインを選んでくれる?」
そう言い残すと、楓介はキッチンの食器棚の中からグラスを取り出し、ワインオープナーを手に持って、ローテーブルのそばに座った。
ワインセラーの中のワインを眺めながら、早く決めなければと思うのに、どうしても気持ちが盛り上がりきれない。
きっと普段の自分なら、こんなにたくさんのワインを前にすれば、もっと興奮したに違いない。
素直に楽しめないのは、祥子からのメッセージを、返事をしないまま放置しているからかもしれない。
その時、背後に楓介の気配を感じたと思った瞬間、耳元に彼の呼吸を感じて体がビクッと震えた。
「たくさんあるから迷うよね。ワインは逃げないし、今日だけじゃなくて、いつでも飲みにきてくれていいしね。とりあえず今日は直感で選んでみたらどうかな」
彼の手がワインの蓋の上を彷徨い、一本のワインを指差した。
「兄が友達と一緒に、フランス産のワインのイベントを企画したんだ。その時にいろいろもらったらしいんだけど、兄さんの奥さんが妊娠中だから、あまり家にお酒を置いておきたくないんだって。だから俺のところにたくさん回ってきたんだよね」
「そんなイベントがあったんですね。行ってみたかったな……」
好きなことをしている時は、嫌なことも忘れられる。そんなことを思いながら、ふとスマートフォンに届いたメッセージのことを思い出し、眉間に皺を寄せた。
「へぇ、佐津川さんがワインが好きって知らなかった。兄さんの友達、ワインの製造にも関わってるって言ってたから、また聞いてみるよ」
「ありがとう……ございます」
感情が入り乱れ、うまく笑えたかわからなかった。だからお礼を言い体で下を向き、顔を見られないようにした。
「このワインセラーさ、兄からワインと一緒に送られてきたんだよ。なんかやることが男前というか、大胆っていうか。じゃあ白ワインの中から選ぼうか。どうせなら飲み比べとかしてみる?」
愛梨は大きく見開いた目を、パッと輝かせる。
「そんな……! いいんですか?」
「貰いものだし、佐津川さんみたいにワインが好きな人に楽しんでもらえたら、俺もワインも本望だよ」
「……津山くん、昔から思っていたけど、すごくいい人ですね」
「あはは。そうかな、じゃあそういうことにしておこう。気になるワインを選んでくれる?」
そう言い残すと、楓介はキッチンの食器棚の中からグラスを取り出し、ワインオープナーを手に持って、ローテーブルのそばに座った。
ワインセラーの中のワインを眺めながら、早く決めなければと思うのに、どうしても気持ちが盛り上がりきれない。
きっと普段の自分なら、こんなにたくさんのワインを前にすれば、もっと興奮したに違いない。
素直に楽しめないのは、祥子からのメッセージを、返事をしないまま放置しているからかもしれない。
その時、背後に楓介の気配を感じたと思った瞬間、耳元に彼の呼吸を感じて体がビクッと震えた。
「たくさんあるから迷うよね。ワインは逃げないし、今日だけじゃなくて、いつでも飲みにきてくれていいしね。とりあえず今日は直感で選んでみたらどうかな」
彼の手がワインの蓋の上を彷徨い、一本のワインを指差した。