とろけてほどけて愛になる〜友達の恋人の友達は、私を癒して甘やかす〜
「スイーツを食べると、昔はストレス発散になっていたんです。でも今、ファミレスのスイーツを考案する部署にいて……。スイーツを食べると、つい仕事の延長線上で物事を考えて、ストレス発散にはならなくなっちゃって」
「へぇ、じゃあ今はどんなことが好きなの?」
「今……ですか?」
愛梨は顔を上げる。興味津々という顔でこちらを見ている楓介と目が合い、恥ずかしさで目を逸らしてしまった。
これまで自分のことを聞かれる機会がほとんどなかったため、少し緊張した様子でグラスを握りしめたところへ、またワインが注がれる。
愛梨自身は自慢できるほどの特技はないし、でも好きなだけの趣味がないわけではない。それを口にするのが烏滸がましい気がしたのだ。
「あまり上手じゃないんですけど……編み物ですかね。編み物をしていると時間が過ぎるのを忘れちゃうんです」
ぼそっつぶやくように話す。こんなことを話しても、盛り上がる話題とは思えず下を向いた。
面白みがない自分に自信が持てない愛梨は、その感情をかき消すようにワインを流し込む。
「すごいね。確か最近流行ってるんでしょ? どんなの作るの?」
「えっ、あの、カバンとかポーチとかブランケットとか……」
「見てみたいな。今何か持ってたりする?」
愛梨は目を瞬いた。そこまで食いつかれるような話題ではなかったはずなのに、作ったものまで問われるとは思わず、混乱しながらもカバンの中からポーチを取り出す。
「こ、こんなのとか……」
淡いグレーの糸で編んだデイジーのグラニースクエアを六枚繋げて、土台のポーチと合わせてジッパーを縫い付けた。
疲れ過ぎていなければ、なるべく一日一枚ずつ寝る前に編む。すると不思議と心が穏やかになる気がした。
ポーチを手に取った楓介は、口を開けて目を見開いた。
「すごい、買ったものかと思った」
「これくらいは誰でも出来ると思う」
「いやいや、少なくとも俺は出来ないし。もっと自信を持っていいと思うよ」
褒められるなんて近頃はほとんどなかったし、少しずつ酔いが回ってきているせいか、いつも以上に嬉しく感じる。
「えへへ、ありがとう……。お世辞でも嬉しいです」
「お世辞じゃないんだけどなぁ」
「そういう津山くんはどうなんですか? どんなお仕事してるんですか?」
「俺? そうだなぁ、いろいろやってるよ」
いろいろという言葉がなんとなく曖昧に聴こえて、愛梨は眉間に皺を寄せながら頬を膨らませた。
「へぇ、じゃあ今はどんなことが好きなの?」
「今……ですか?」
愛梨は顔を上げる。興味津々という顔でこちらを見ている楓介と目が合い、恥ずかしさで目を逸らしてしまった。
これまで自分のことを聞かれる機会がほとんどなかったため、少し緊張した様子でグラスを握りしめたところへ、またワインが注がれる。
愛梨自身は自慢できるほどの特技はないし、でも好きなだけの趣味がないわけではない。それを口にするのが烏滸がましい気がしたのだ。
「あまり上手じゃないんですけど……編み物ですかね。編み物をしていると時間が過ぎるのを忘れちゃうんです」
ぼそっつぶやくように話す。こんなことを話しても、盛り上がる話題とは思えず下を向いた。
面白みがない自分に自信が持てない愛梨は、その感情をかき消すようにワインを流し込む。
「すごいね。確か最近流行ってるんでしょ? どんなの作るの?」
「えっ、あの、カバンとかポーチとかブランケットとか……」
「見てみたいな。今何か持ってたりする?」
愛梨は目を瞬いた。そこまで食いつかれるような話題ではなかったはずなのに、作ったものまで問われるとは思わず、混乱しながらもカバンの中からポーチを取り出す。
「こ、こんなのとか……」
淡いグレーの糸で編んだデイジーのグラニースクエアを六枚繋げて、土台のポーチと合わせてジッパーを縫い付けた。
疲れ過ぎていなければ、なるべく一日一枚ずつ寝る前に編む。すると不思議と心が穏やかになる気がした。
ポーチを手に取った楓介は、口を開けて目を見開いた。
「すごい、買ったものかと思った」
「これくらいは誰でも出来ると思う」
「いやいや、少なくとも俺は出来ないし。もっと自信を持っていいと思うよ」
褒められるなんて近頃はほとんどなかったし、少しずつ酔いが回ってきているせいか、いつも以上に嬉しく感じる。
「えへへ、ありがとう……。お世辞でも嬉しいです」
「お世辞じゃないんだけどなぁ」
「そういう津山くんはどうなんですか? どんなお仕事してるんですか?」
「俺? そうだなぁ、いろいろやってるよ」
いろいろという言葉がなんとなく曖昧に聴こえて、愛梨は眉間に皺を寄せながら頬を膨らませた。