とろけてほどけて愛になる〜友達の恋人の友達は、私を癒して甘やかす〜
4 本当の自分
高校生の頃から、少し不思議な人だと思っていた。
いつも自然体でそこにいて、空気のように溶け込んでいるのに、きちんと存在感を放っていた。
いろいろと聞いても何も違和感を覚えないのは、きっと本当にそうなのだろうと納得出来たからかもしれない。
「なんだか微妙な答えですね」
「あはは、でも本当にそうなんだ。いろいろやってるから説明しきれないし、中には企業秘密なこともあるしね」
「そんなこと言って、ただ言いたくないだけじゃないんですか?」
酔っているせいか、少しずつ饒舌になり、口を尖らせた。
そんな愛梨の様子に、楓介は楽しそう声をあげて笑う。
「そんなことないって。でも……そうだね、時々好きな仕事はさせてもらっているかも」
「……意味深。ちなみに好きな仕事は星関係ですか?」
「もちろん。俺は今でも星が大好きだからね」
まっすぐな瞳でそう言った楓介を、愛梨は少し羨ましく思った。
「それにしても、佐津川さんって酔うとそんな感じなんだね。素面の時とのギャップがすごくいい」
「や、やめてください! そういう意図がわからない言葉は怖いです……」
「意図って?」
愛梨は唇を噛み、動揺したように視線が泳ぎ始める。
「褒められているのか、遠回しに貶されているのか、裏に何か別の思惑があるのか、わからないから……」
愛梨はワインの瓶を手に取り、空になったグラスに注いでいく。気もそぞろだったからか、危うく溢れそうになった。
「佐津川さんってさ、笑顔でこっちを向いてくれてるけど、実は目は合わせてくれてないよね」
ドキッとして顔を背けた。楓介の言う通りだったからだ。
昔から人見知りで、相手の顔を見るのも苦手。だからお喋り上手な祥子といると、自分は何もしなくてもいいから楽だった。
「最初は社交的な尾原さんの隣にいたからなかなか気づかなかったけど、ある時にさ、そういえば佐津川さんと目が合っていないなって気付いて。でも再会してから、さらに磨きがかかってる気もしたけど」
何もいえずに俯いた時だった。カバンの中のスマートフォンが、大きな音を立てて鳴り始めた。
いつも自然体でそこにいて、空気のように溶け込んでいるのに、きちんと存在感を放っていた。
いろいろと聞いても何も違和感を覚えないのは、きっと本当にそうなのだろうと納得出来たからかもしれない。
「なんだか微妙な答えですね」
「あはは、でも本当にそうなんだ。いろいろやってるから説明しきれないし、中には企業秘密なこともあるしね」
「そんなこと言って、ただ言いたくないだけじゃないんですか?」
酔っているせいか、少しずつ饒舌になり、口を尖らせた。
そんな愛梨の様子に、楓介は楽しそう声をあげて笑う。
「そんなことないって。でも……そうだね、時々好きな仕事はさせてもらっているかも」
「……意味深。ちなみに好きな仕事は星関係ですか?」
「もちろん。俺は今でも星が大好きだからね」
まっすぐな瞳でそう言った楓介を、愛梨は少し羨ましく思った。
「それにしても、佐津川さんって酔うとそんな感じなんだね。素面の時とのギャップがすごくいい」
「や、やめてください! そういう意図がわからない言葉は怖いです……」
「意図って?」
愛梨は唇を噛み、動揺したように視線が泳ぎ始める。
「褒められているのか、遠回しに貶されているのか、裏に何か別の思惑があるのか、わからないから……」
愛梨はワインの瓶を手に取り、空になったグラスに注いでいく。気もそぞろだったからか、危うく溢れそうになった。
「佐津川さんってさ、笑顔でこっちを向いてくれてるけど、実は目は合わせてくれてないよね」
ドキッとして顔を背けた。楓介の言う通りだったからだ。
昔から人見知りで、相手の顔を見るのも苦手。だからお喋り上手な祥子といると、自分は何もしなくてもいいから楽だった。
「最初は社交的な尾原さんの隣にいたからなかなか気づかなかったけど、ある時にさ、そういえば佐津川さんと目が合っていないなって気付いて。でも再会してから、さらに磨きがかかってる気もしたけど」
何もいえずに俯いた時だった。カバンの中のスマートフォンが、大きな音を立てて鳴り始めた。