とろけてほどけて愛になる〜友達の恋人の友達は、私を癒して甘やかす〜
* * * *
病院の夜間入口で受付を済ませて自動ドアを抜けると、静まり返った病院に足を踏み入れた。
昼間とは違い、薄暗く感じる廊下を、やや足早に駆け抜けていく。
心拍数が上がった様子で待合室に入ると、中では椅子に座って泣き続ける翔子を宥めるように、彼女の母親が隣に座って肩を抱いているのが見えた。
そこから少し離れた場所で、光一の両親は看護師と真剣な表情で話し合っている。彼の容態や手術について話しているのだろう。
物々しい様子に、自分がここに来ても良かったのか不安になる。
入口で様子を窺っていたところ、それに気付いた祥子の母親が、愛梨に向かって手招きをしたので、ようやく一歩を踏み出した。
「愛梨ちゃん、来てくれたのね」
その言葉で愛梨が来たことに気付いた祥子は顔を上げ、今度は愛梨に抱きついてきた。
祥子の隣に腰を下ろしたが、泣き崩れる彼女から話を聞くことは難しいと判断し、母親の方に目を向ける。
「あの、高田くんの容態は……」
母親は静かに首を横に振った。
「いい状況ではないみたい。とりあえず手術が終わってからでないと、詳しいことはわからないから」
「そうですか……」
肩を震わせながら泣く祥子の背中をそっと撫でる。
「……もし光一が目を覚まさなかったらどうしよう……死んじゃったらどうしよう……うっ、うっ、うあぁっ……!」
「今、お医者さんも、高田くんも頑張ってるから、そんなに悲観的にならないで。手術が終わるまで待とう」
「でもっ……でもっ……!」
安易な言葉はかけられなかった。祥子を不安にさせたくない気持ちはもちろんあるが、もしものことを考えると怖くなる。
祥子を宥めながら、母親から事故の詳細について聞くと、信号のない横断歩道を渡っていたところ、スピード超過で走ってきた車にはねられたという。
しかも光一をはねた車は今もまだ逃走していて、犯人は捕まったいないらしく、警察が足取りを追っているらしい。
「私が電話なんかしたから……だから車が来てるのに気付けなかったのかもっ……」
「それは関係ないと思うよ。だってスピードを出しすぎてたって──」
「そんなことない! 私のせいだ……うぅっ……」
どう声をかけていいのかわからず、困惑しながら祥子の背中を撫でていた時だった。
待合室に濃いグレーのスーツを身に纏った男性が入ってくるのが目に入った。
病院の夜間入口で受付を済ませて自動ドアを抜けると、静まり返った病院に足を踏み入れた。
昼間とは違い、薄暗く感じる廊下を、やや足早に駆け抜けていく。
心拍数が上がった様子で待合室に入ると、中では椅子に座って泣き続ける翔子を宥めるように、彼女の母親が隣に座って肩を抱いているのが見えた。
そこから少し離れた場所で、光一の両親は看護師と真剣な表情で話し合っている。彼の容態や手術について話しているのだろう。
物々しい様子に、自分がここに来ても良かったのか不安になる。
入口で様子を窺っていたところ、それに気付いた祥子の母親が、愛梨に向かって手招きをしたので、ようやく一歩を踏み出した。
「愛梨ちゃん、来てくれたのね」
その言葉で愛梨が来たことに気付いた祥子は顔を上げ、今度は愛梨に抱きついてきた。
祥子の隣に腰を下ろしたが、泣き崩れる彼女から話を聞くことは難しいと判断し、母親の方に目を向ける。
「あの、高田くんの容態は……」
母親は静かに首を横に振った。
「いい状況ではないみたい。とりあえず手術が終わってからでないと、詳しいことはわからないから」
「そうですか……」
肩を震わせながら泣く祥子の背中をそっと撫でる。
「……もし光一が目を覚まさなかったらどうしよう……死んじゃったらどうしよう……うっ、うっ、うあぁっ……!」
「今、お医者さんも、高田くんも頑張ってるから、そんなに悲観的にならないで。手術が終わるまで待とう」
「でもっ……でもっ……!」
安易な言葉はかけられなかった。祥子を不安にさせたくない気持ちはもちろんあるが、もしものことを考えると怖くなる。
祥子を宥めながら、母親から事故の詳細について聞くと、信号のない横断歩道を渡っていたところ、スピード超過で走ってきた車にはねられたという。
しかも光一をはねた車は今もまだ逃走していて、犯人は捕まったいないらしく、警察が足取りを追っているらしい。
「私が電話なんかしたから……だから車が来てるのに気付けなかったのかもっ……」
「それは関係ないと思うよ。だってスピードを出しすぎてたって──」
「そんなことない! 私のせいだ……うぅっ……」
どう声をかけていいのかわからず、困惑しながら祥子の背中を撫でていた時だった。
待合室に濃いグレーのスーツを身に纏った男性が入ってくるのが目に入った。