とろけてほどけて愛になる〜友達の恋人の友達は、私を癒して甘やかす〜
たいして話したこともない人にここまで言い当てられ、次に何を言われるのか怖くなった愛梨は、思わず体をビクッと震わせ身構える。
「あのっ……そろそろ帰りま──」
慌ててカバンを取ろうとした瞬間、「吐き出しちゃったら? 思ってること全部」と楓介の言葉が耳に入った。
「そんなの……」
そんなものはないと言おうとしたのに、何故か言えなかった。
今日は一人になりたくなくて、飲みに行こうと思っていた。でも彼に誘われてついてきてしまったのは、本音は誰かに聞いてほしいと思っていたからかもしれない。
「佐津川さんは聞き上手だから、同じように出来る自信はないけどね。でも苦しくてパンパンになった心が、少し吐き出すだけでも楽になるんじゃないかって思うんだ」
頭の中に破裂寸前の紙袋が思い浮かんだ。だけど彼の言葉でその袋にほんの少しの隙間があき、そこから真っ黒に澱んだものが漏れていくような感覚に陥る。
それとともに抑えていたはずの感情にも緩みが生じ、突然涙が溢れ始めた。
「あれっ……嘘……なんで涙が……」
楓介に差し出されたティッシュペーパーの箱を手を、おずおずと受け取る。
涙を拭こうとした瞬間に、楓介が突然立ち上がったので、つい勢いよく鼻を噛んでしまった。
「佐津川さん、カップケーキって好き?」
「えっ、あっ、好きです……」
「本当? ちょうど従兄弟から新作カップケーキの詰め合わせが送られてきたんだよね。あっ、従兄弟の奥さんがカップケーキ専門のお店をやっててさ、いつも送ってくれるんだ。良かったら食べない? あっ、くれぐれも仕事のことは考えないように!」
そう言い放った楓介の笑顔に、愛梨は再び溢れる涙を堪えきれなくなる。
(祥子ちゃんのことだけじゃなくて、仕事のことでもこんなに追い込まれていたんだ)
楓介はテーブルに白い箱と取り皿とフォークを置き、愛梨の頭を優しく撫でた。
「あのっ……そろそろ帰りま──」
慌ててカバンを取ろうとした瞬間、「吐き出しちゃったら? 思ってること全部」と楓介の言葉が耳に入った。
「そんなの……」
そんなものはないと言おうとしたのに、何故か言えなかった。
今日は一人になりたくなくて、飲みに行こうと思っていた。でも彼に誘われてついてきてしまったのは、本音は誰かに聞いてほしいと思っていたからかもしれない。
「佐津川さんは聞き上手だから、同じように出来る自信はないけどね。でも苦しくてパンパンになった心が、少し吐き出すだけでも楽になるんじゃないかって思うんだ」
頭の中に破裂寸前の紙袋が思い浮かんだ。だけど彼の言葉でその袋にほんの少しの隙間があき、そこから真っ黒に澱んだものが漏れていくような感覚に陥る。
それとともに抑えていたはずの感情にも緩みが生じ、突然涙が溢れ始めた。
「あれっ……嘘……なんで涙が……」
楓介に差し出されたティッシュペーパーの箱を手を、おずおずと受け取る。
涙を拭こうとした瞬間に、楓介が突然立ち上がったので、つい勢いよく鼻を噛んでしまった。
「佐津川さん、カップケーキって好き?」
「えっ、あっ、好きです……」
「本当? ちょうど従兄弟から新作カップケーキの詰め合わせが送られてきたんだよね。あっ、従兄弟の奥さんがカップケーキ専門のお店をやっててさ、いつも送ってくれるんだ。良かったら食べない? あっ、くれぐれも仕事のことは考えないように!」
そう言い放った楓介の笑顔に、愛梨は再び溢れる涙を堪えきれなくなる。
(祥子ちゃんのことだけじゃなくて、仕事のことでもこんなに追い込まれていたんだ)
楓介はテーブルに白い箱と取り皿とフォークを置き、愛梨の頭を優しく撫でた。